東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比560円超下落したことから、投資家のリスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は114円台割り込み、113.91まで下落した。しかし、114円台割れ近辺では値頃感の買い戻しの動きも見られ、ドル/円はその後底固い動きが続いた。さらに、米長期金利が持ち直したことから、ドル/円は114円台を回復した。

米国市場では、序盤にドル/円が114.21まで上昇したものの、米長期金利が下落に転じたこともあり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、一時113.65まで下落した。序盤に発表された米経済指標は、強弱まちまちの結果となったことから、反応は限定的だった。下げ一服後は、値頃感の買い戻しがも観測され、ドル/円は113.96まで値を戻したが、NY原油先物の下落を背景に資源国通貨が対円で下落したことに連れて、ドル/円も上値の重い動きとなり、ドル/円は再び113.68まで下落した。ただ、終盤には米10年債利回りが1.70％台まで上昇したことを受けて、ドル/円は114.05まで回復した。

米株式市場では、第3四半期決算で売上高が市場予想を下回ったIBMが売られたことや、前日にダウ平均株価が一時過去最高値を更新したことで利益確定の売りが先行し、ダウ平均株価は一時前日比166ドル安まで下落した。ただ、引けにかけて下げ幅を縮小し、6.26ドル安（-0.02％）で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは94.02ポイント高（+0.62％）で終了し、終値ベースで9/9以来の高値となった。また、S&P500は7営業日続伸となり、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）海外市場終盤の流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まったことも圧迫要因となった。ただ、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、やや値を戻す動きも見られたが、仲値通過後は再び上値の重い動きとなった。

（2）午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比566円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.672％から1.637％まで低下したことも加わり、ドル/円は114円台を割り込み、113.93まで下落した。ただ、113.90台では値頃感のドル買い戻しの動きも見られ、底固い動きとなった。

（3）欧州時間でも底固い動きが続き、米長期金利が上昇に転じたことを受けて、ドル/円は米国市場序盤に114.21まで上昇した。その後、米長期金利が下落に転じたことからドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、ドル/円は一時113.65まで下落した。一方、序盤に発表された。米新規失業保険申請件数、10月フィラデルフィア連銀景況指数が発表されたが、強弱まちまちの結果となったこともあり、マーケットの反応は限定的だった。

（4）下げ一服後は、値頃感の買い戻しが入ったことや、9月の米中古住宅販売件数が1月以来の高水準となったことが好感され、ドル/円は113.96まで値を戻した。しかし、NY原油先物の下落を背景に、資源国通貨が対円で下落したことに連れて、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなり、ドル/円は再び113.68まで下落した。終盤には、米10年債利回りが4月上旬以来の1.70％台まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は114.05まで回復した。

ドル/円は、114.00を挟んだもみ合いの動きが続いており、今後の方向性を見極め難い展開となっている。マーケットが注目する米FOMC（11/2-3）を控えて、明日からブラックアウト期間に入ることもあり、明確な方向性は出難いとの見方がある一方、上昇が続いたことで一旦調整となるとの見方もあり、目先の方向性が注目される。

本日の欧州時間では、ドイツやユーロ圏などの10月の製造業PMIの発表が予定されており、特にマーケットの反応が大きい速報値の発表であることから、前回結果や市場予想から乖離する結果となる場合には、マーケットの反応も大きくなる可能性もあることから、結果に注目したい。一方、米国でも10月の製造業PMI（速報値）の発表が予定されていることから、結果に注目したい。