前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が大幅高(前日比530円超)となったことや、前日の海外市場で低下した米長期金利がやや持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。アジア株全般ととも欧州主要株価指数が序盤から軒並み堅調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された9月の米小売売上高が市場予想を上回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な値動きとなり、対円では一時114.46まで上昇し、2018年10/4以来の高値を付けた。しかし、その後に発表された10月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことが嫌気され、ドル/円は113.99まで下落した。しかし、米国の早期の利上げ期待も根強いことから、ドルの下値は限定的だった。その後、米主要株価指数が堅調な動きが続いたこともあり、終盤にかけてドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米株式市場では、9月の米小売売上高が市場予想を上回ったことを受けて、米景気の回復を期待した買いが優勢となった。さらに、米大手金融の好調な四半期決算も好感され、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、一時前日比408ドル高まで上昇し、終盤まで高値圏で推移して382.20ドル高(+1.09%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、73.91ポイント高で終了し、S&P500と共に3営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、実需の決済が集中しやすい五・十日に当たり、実需のドル買いが観測され、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、終盤に一時531円高まで上昇し、終値ベースで9/30日以来11日ぶりに29000円台を回復した。さらに、欧州主要株価指数が序盤から上昇するなどリスク選好の流れに加え、米長期金利の上昇とともに、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は114.40まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された9月の米小売売上高が市場予想に反して上昇となったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では一時114.46まで上昇し、2018年10/4以来の高値を付けた。しかし、その後に発表された10月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことに加え、ロンドンフィキシングに向けたドル売りが観測されたこともあり、ドル/円は113.99まで下落した。
(4)114.00円近辺では値頃感のドル買いもあり、下値は限定的だった。その後、米主要株価指数が堅調な動きが続いたことや、米長期金利の上昇が続いたこともあり、終盤にかけてドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、先週末に114円台を回復し、一時114.46まで上昇して2018年10/4以来の高値を更新した。週明けの東京市場では、序盤からやや上値の重い動きとなっており、ここから上昇が一服となるのか、再び前日の高値を上抜けて一段の上昇となるのかか、さらにのテーパリングや早期の利上げ期待を背景に、低下していた米長期金利が先週末に持ち直していることから、再び1.60%台に向けた上昇が続くのか注目されている。また、米国市場では、9月の米鉱工業生産、10月の米NAHB住宅市場指数の発表が予定されているが、予想外の結果とならなければ、反応は限定的と見られている。
10/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
9月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
0.2% | 0.4% |
前回は市場予想を下回り、4月以来の低い伸びとなった。ハリケーン襲来に伴う工場閉鎖や、サプライチェーンの混乱による原材料問題などが影響した。今回は伸び幅の縮小が予想されており、ハリケーンの影響は和らいだものの、原材料の供給懸念が引き続き影響していると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
|
75 | 76 |
前回は市場予想を上回り、2020年7月以来の低水準となった8月の結果からは上昇した。高騰していた材木価格が下落したことを受けて、回復の兆しが示された。今回は、前回から小幅低下が予想されているが、住宅需要が根強い中で、資材コストの低下が追い風になっている可能性も指摘されている。 |