前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が一時330円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したこともドルを圧迫した。ただ、新規材料に乏しいこともあり、下値は限定的だった。欧州市場では、欧州主要株価下落を受けて一時軟調な動きとなったものの、下げ一服後は持ち直してドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ユーロは経済指標の悪化を受けて軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は一時113.79まで上昇し、2018年12/3以来の高値を更新した。その後は新規材料に乏しい中、主要株価指数が終盤にかけてやや軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ユーロは、ECB当局者のハト派的発言が影響し、対ドルで一時2020年7/22以来の安値まで下落した。
米株式市場では、米主要企業の決算発表を控えて、サプライチェーンの混乱が米企業業績に影響しているとの懸念から、主要株価指数は上値の重い動きとなった。さらに、原油先物が約7年ぶりの高水準となったことで、企業収益が圧迫されるとの懸念も加わり、主要株価指数は3営業日続落となった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比115ドル高まで上昇する場面もあったが、終盤に下げ幅を拡大し、117.72ドル安(-0.34%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックも20.27ポイント安(-0.14%)と小幅安で取引を終えた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は、序盤に一時113.49まで上昇し、前日の海外市場で付けた113.41を上抜けて2018年12/17以来の高値を更新した。しかし、日経平均株価が序盤から下落し、一時前日比331円安まで下落したことを受けてドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引の米長期金利が低下したことも影響し、ドル/円は113.21まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ止まったこともあり、底固い動きとなった。しかし、欧州主要株価指数が序盤から下落したことや、時間外取引で米10年債利回りが1.60%割れまで低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、下げ一服後は再び底固い動きとなった。一方、ドイツと欧州のZEW景況感調査がともに低下したことが嫌気され、ユーロは上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤に113.79まで上昇し、2018年12/3以来の高値を更新した。
(4)新規材料に乏しく、翌日に米消費者物価指数の発表を控えていることもあり、終盤にかけては小動きの展開が続いた。さらに、1.613%まで上昇していた米10年債利回りが1.5625まで低下したことも影響した。一方、ECB専務理事が「高インフレは一過性の要因」との見方を示したことや、フランス中銀総裁が「PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を維持する必要性がある」と言及したこともユーロの圧迫要因となり、ユーロは一段の下落となり、対ドルで一時2020年7/22以来の安値まで下落した。
本日のトピックス
米国の金利先物市場では、来年末までにFRBによる0.25%の利上げを織り込む水準で推移しており、金利先高観を背景に、ドルは連日上昇している。マーケットでは、本日発表される9月の米消費者物価指数の結果に注目が集まっている。今回は、前月から横ばいの伸びが予想されているが、9月にWTI原油先物が上昇(9ドル上昇=約14%の上昇)していたことから、指数の上振れに対する警戒感もある。指数が上振れとなれば、利上げ期待を背景にドル買いに反応する可能性も考えられる。一方、指数が低下となれば、ドル上昇が続いたこともあり、一服感から一旦調整の動きとなる可能性も考えられる。
10/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.3% |
前回は市場予想を下回り、今年1月以来の低い伸び率となった。2ヵ月連続で低下しており、インフレ圧力が弱まりつつあることが示された。一方、変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数も2月以来の低い伸びとなった。ただ、前年比では2ヵ月連続の低下となったが、依然として高い伸びとなった。今回は、前月から横ばいの伸びが予想されているが、原油価格の上昇なども続いていることから、上振れに対する警戒感もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上値のポイントとされた112.076を上抜けて一段の上昇となり、112.076を上抜けたことによる上値目標の計算値である113.778までの上昇を達成している。ここから前回同様に調整となるのか、前日高値を上抜けて一段の上昇となるのか注目されている。
直近高値の113.787を上抜ければ、114円台乗せを試す展開が考えられる。さらに、114円台定着となれば、次の上値目標の計算値の114.906を目指す展開も。
一方、下値のポイントは前日の安値である113.004、昨日113円台割れを踏みとどまったことから、113円台割れが目先のポイントとなる。113円台割れとなる場合には、一旦の調整となる可能性も考えられ、その場合には112.50台までの調整も想定される。