前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比640円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米雇用統計の発表を控えて期待感が高まっていたことや、米長期金利が上昇したことに伴い、ドル/円は112.00まで上昇した。しかし、112円台近辺では上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったことから、ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、年内のテーパリング開始に変わりはないとの見方から下値は限定的となり、米長期金利の上昇とともに日米金利差拡大が意識されたことから、対円では112.25まで上昇し、2019年4/24以来の高値を付けた。一方、クロス円もドル/円の上昇に連れ高となった。
米株式市場では、9月の米雇用統計で景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことで、米経済の先行き懸念が高まり、主要株価指数は上値の重い動きとなった。ただ、失業率が市場予想より改善したことから、下値は限定的だった。ダウ平均株価は8.69ドル安(-0.03%)で終了し、4営業日ぶりに反落となった。一方、金利動向に比較的敏感なナスダックは、米長期金利が6月上旬以来の高水準となったことを受けて、74.48ポイント安(-0.51%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の株高を受けて、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比643円高まで上昇したことから、投資家のリスク選好の動きが優勢となった。さらに、6日に発表された米ADP雇用統計が市場予想を上回る内容だったことで雇用統計の結果に対する期待感も高まっていたこともドルの押し上げ要因となった。また、米上院で短期的な債務上限引き上げ法案が可決された。
(2)午後に入り、日経平均株価がやや上げ幅を縮小したものの高値圏を維持する中で、6日に発表された米ADP雇用統計が市場予想を上回る内容だったことで雇用統計の結果に対する期待感が高まっていたことから、ドルはジリ高の展開が続き、ドル/円は一時112.00まで上昇した。
(3)欧州市場では上昇一服となり、米雇用統計を控えて様子見ムードも強まり、ドルはやや上値の重い動きとなった。さらに、欧州主要株価指数が序盤から上値の重い動きとなったことから、クロス円も上値の重い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、失業率が改善したものの、景気動向を敏感に映すとされる非農業部門雇用者数が予想を下回る伸びとなったことから、米経済の先行き懸念が高まり、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、発表直前の111.85から111.51まで下落した。
(4)ただ、米国の年内のテーパリング開始に変わりはないとの見方から下値は限定的となり、ドルは主要通通貨に対して底固い動きとなった。さらに、FF金利先物が来年末までの利上げを織り込むなど、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.554%から1.615%まで上昇し、6/3以来の高水準となったことから、対円では112.25まで上昇し、2019年4/24以来の高値を付けた。一方、クロス円もドル/円の上昇に連れ高となり、ユーロ/円は9/30以来、ポンド/円は8/12以来、豪ドル/円は7/15以来の高値を付けた。また、カナダの雇用統計で就業者数の伸びが市場予想を大幅に上回ったことや、原油価格の上昇を背景に、カナダドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで8/2以来、対円で7/6以来の高値を付けた。
本日のトピックス
ドル/円は、前週末に一時112.25まで上昇し、4/24以来の高値を付けたが、週明けの東京市場では、序盤から堅調な動きとなり、前週末の海外市場で付けた112.25を上抜けて112.33まで上昇し、4/24以来の高値を更新した。ただ、その後はやや上値の重い動きとなっており、ここから堅調な動きが続くのか、一旦調整となるのか注目されており、調整となる場合では112円台を維持できるのかどうかが注目される。
本日の米国市場は、コロンブスデーのため米国市場の一部が休場(債券市場のみ休場)となることから、市場参加者が少なくなる可能性もあり、限定的な動きも予想されている。