前営業日トピックス
休場明けの日本市場では、日経平均株価が序盤から600円超上昇したことや、米長期金利が7月以来の高水準まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時110.57まで上昇した。ただ、欧州時間に入るとやや軟調な動きとなったものの、下げは一時的となり再び底固い動きとなった。
米国市場では、前日のからの流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことや、米長期金利の上昇を受けて、ドルは対円で110.79まで上昇し、8/11以来の高値を更新した。一方、下落して始まった米ダウ平均株価がプラス圏まで回復したことなどもあり、クロス円も底固い動きが続いた。
米株式市場では、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、主要株価指数は底固い動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したことで、金利動向に敏感なナスダックは上値の重い動きが続き、小幅反落となった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比116ドル安まで下落したものの、その後はプラス圏まで回復し、33.18ドル高(+0.10%)で終了、3営業日続伸となった。一方、ナスダックは4.54ポイント安で終了し、4営業日ぶりに反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、休場明けの日経平均株価が序盤から大幅上昇となり、600円超上昇したこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大して620円超上昇となったことや、時間外取引の米10年債利回りが1.419%から1.449%まで上昇したことを受けて、ドル/円は110.57まで上昇した。その後、欧州主要株価指数が軒並み下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、下げ一服後は再び上昇となり、ドル/円は110.50台を回復した。
(3)米国市場では、22日のFOMCでテーパリングの年内開始に加え、2022年中の利上げの可能性が示唆されたことが引き続き材料視され、ドルは堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された8月の米新築住宅販売件数が2ヵ月連続のプラスとなり、改善の兆しが確認されたことに加え、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.402%から1.464%まで上昇し、6月以来の高水準となったことを受けて、ドルは対円で110.79まで上昇し、8/11以来の高値を更新した。一方、下落して始まった米ダウ平均株価がプラス圏まで回復したことなどもあり、クロス円も底固い動きが続いた。
本日のトピックス
FOMC後で新規材料に乏しいことから、目先は主要株価指数や米長期金利の動向が注目されるだろう。また、ドイツ総選挙が26日投開票され、中道左派の社会民主党(SPD)がメルケル首相の保守連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を上回り勝利する見通しとされている。しかし、どちらの勢力も単独で過半数に届かないことから、ここからの連立交渉などが今後の焦点とされている。
一方、米国市場では、耐久財受注の発表が予定されており、変動の激しい輸送機器の結果が全体を左右する動きとなっていることから、輸送機器を除いたコア指数の動き注目されている。
9/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.6% | -0.1% |
前回は市場予想と一致し、3ヵ月ぶりのマイナスとなった。一方、変動の激しい輸送機器を除く受注は5ヵ月連続の上昇となり、民間航空機が大幅マイナスとなるなど、輸送機器が3ヵ月ぶりのマイナスとなったことが影響した。今回は、前月から増加が予想されており、輸送機器の反発が影響すると見られているが、輸送機器を除いた受注が引き続き堅調さを維持できるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は堅調な動きが続き、一時110.799まで上昇して8/11高値と面合わせとなっており、ここを上抜けて一段の上昇となるいのか、上値が抑えられて上値の重い動きとなるのか注目される。
上抜けとなれば、111円台乗せが次のポイント(目先の上値目標の計算値は111.199)となるだろう。また、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が拡大するなど、目先の堅調な動きを示唆する形状となっていることから、この形状が続くのかどうかに注目したい。
一方、下値のポイントは雲上限ラインの110.191となり、ここを下抜けて雲の中に入り込む展開となる場合には再び上値の重い動きとなる可能性もあるだろう。
気まぐれ投資コラム
ドルの買い越し額は前週から増加
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(9/21までの週)では、ドルの主要6通貨に対する買い越し額は142.8億ドル(99.9億ドル)と増加した。一方、主要10通貨に対する買い越し額は134.5億ドル(91.2億ドル)となり、2020年3月以来の高水準となった。
円は対ドルで56071枚(前週60295枚売り越し)の売り越し、ユーロは12095枚(27805枚買い越し)の買い越し、ポンドは218枚(4790枚買い越し)の売り越し、豪ドルは85584枚(83383枚売り越し)の売り越しだった。
※出所:FX総合分析チャート