前営業日トピックス
東京市場では、週明けの実需のドル買いが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドルは堅調な動きとなった。一方、序盤にプラス圏まで上昇した日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価がプラス圏を回復して終了したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。ドル/円は前週末の109.99を上抜けたことで一段の上昇となり、110.16まで上昇した。一方、ユーロは対ドルで2種間ぶりの安値まで下落するなど、主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことから、全般的に小動きの展開となった。その中で、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では109.90まで下落した。ただ、110円台割れ近辺では値頃感のドル買いも見られ、その後は110円台を回復して終了した。一方、ユーロやポンドは対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
米株式市場では、先週末まで下落が続いたことで値頃感の買い戻しが先行し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米国の新型コロナウイルスの新規感染者数が減少に転じつつあることも投資家心理の改善につながった。ダウ平均株価は一時前週末比331ドル高まで上昇したものの、その後は上げ幅を縮小して261.91ドル高(+0.76%)で終了、6営業日ぶりに反発となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、上昇して始まったものの9.91ポイント安で終了し、4営業日続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで回復したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が再び下落に転じ、一時前週末比152円安まで下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ドルは週明けの実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では109.98まで上昇した。
(2)ドル/円は、先週末に付けた109.99を超えられなかったことから、上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引の米10年債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価がプラス圏まで上昇して終了したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109.99を上抜けて110円台乗せとなり、一時110.16まで上昇した。
(3)上昇一服後、ドルは上値の重い動きとなった一方、欧州時間でユーロは対ドルで軟調な動きとなり、一時8/27以来約2週間ぶりの安値を付けた。また、ユーロは対円でも軟調な動きとなった。米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がないことや、来週のFOMCを控えたブラックアウト期間で当局者の発言もなく新規材料に乏しいことから、全般的に小動きの展開となった。その中で、米長期金利が低下したことを受けてドルは主要通貨に対して下落となり、対円では110.10から109.90まで下落した。一方、ドルが主要通貨に対して下落したことから、ユーロはドルや円に対して持ち直した。
(4)110円台割れ近辺では値頃感のドル買い戻しも見られ、その後は110円台を回復した。一方、ユーロやポンドは対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の米国時間では一時110円台を割り込む場面もあったものの、終盤には再び110円台を回復する動きとなっており、本日も110.00を挟んだ展開が続くと見られている。
マーケットでは来週のFOMCに注目が集まっており、週明けから米金融当局者の発言も規制(ブラックアウト期間)されている。その中で、本日は金融政策の決定に関連が深い8月の米消費者物価指数の発表に注目が集まっている。今回は、伸び幅の小幅縮小が予想されているが、依然として高い伸びが続くと見られており、物価上昇懸念が払拭するには至らないと見られている。ただ、予想以上の伸び幅の縮小となり、物価上昇圧力が和らぐのか、物価上昇リスクが高まるのか注目されている。
9/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.4% | 0.5% |
前回は市場予想を下回り、上昇ペースは緩やかになった。ただ、コスト増への懸念が払拭されるには至らなかった。また、前年比では1991年11月以来の高水準となった前月から横ばいとなり高い伸びが維持された。今回は、前月比・前年比ともに伸び幅の縮小が予想されているが、依然として高い伸びが維持されると見られており、予想通りの結果なら、物価上昇懸念が払拭するには至らないと見られている。 |