前営業日トピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に続いていることから、投資家のリスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇して始まり、午後には一時550円超の上昇となったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。欧州時間では、米長期金利の低下を受けて、ドル/円は軟調な動きとなった。一方、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが発表されたが、反応は限定的だった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時109.19まで下落し、7/19以来の安値となった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の下落に加え、ダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことや、原油価格の下落なども圧迫要因となった。
米株式市場では、米長期金利の低下などもあり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、米経済指標が冴えない結果となったことや、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大への懸念を背景に、米景気先行きへの警戒感が広がり売りが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比256ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。しかし、その後は下落に転じて97.31ドル安(-0.28%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、世界的に新型コロナウイルス感染急拡大が警戒されたことからリスク回避の動きが先行し、円が買われる動きとなった。ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は、一時109.60まで下落した。
(2)下げ一服後は、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を拡大し、前週末比551円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米長期金利が低下したことからドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、対円でも上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで底固い動きとなったことや、日経平均株価が上げ幅を拡大しことから、対円でも底固い動きが続いた。しかし、欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で軟調な動きとなり、クロス円も上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後に発表された7月の米ISM製造業景況指数が市場予想に反して低下となり、1月以来の低水準となったことや、6月の米建設支出が市場予想を下回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、欧州時間に付けた1.243%から7/20以来の低水準となる1.147%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時109.19まで下落し、7/19以来の安値となった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の下落に連れて対円で軟調な動きとなった。さらに、ダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことや、原油価格の下落なども影響した。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、米経済指標が冴えない結果となったことに加え、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2週間ぶりの低水準に低下したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。週末の米雇用統計に注目が集まる中、本日は米国の雇用統計に関連する主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、米株価指数や長期金利の動きに敏感に反応する可能性もあり、株式市場や債券市場の動きには注目したい。
8/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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1.0% | 1.7% |
前回は市場予想を上回り、1月以来の高い伸びとなった。変動の激しい輸送用機器が大きく伸びたことが全体を押し上げた。一方、輸送機器を除いた伸びが前月から大きく低下し、輸送機器を除く新規受注も前月から伸び幅が低下したことが影響した。今回は、前月から伸び幅の縮小が予想されているが、変動の激しい輸送機器を除いた受注に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上値の重い動きが続いており、一目均衡表の雲を下抜ける形となり、三役逆転の弱気シグナルとなっている。ここから一段の下げとなるのか、明日までに雲の中に戻ることができるのか注目したい。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、現在110.362で横ばいが続いており、ドル/円もレンジ内の動きとなっている。基準線は、109.063を下回らなければ、週末まで横ばいだが、109.063を下回る場合や、週明けの9日から基準線は低下となることから、ドルの方向性が注目される。
目先は、109.063が重要な下値のポイントなり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。その場合には、107.476を目指す展開となる可能性も考えられる。一方、上値のポイントは雲下限ラインの109.293、次いで前日高値の109.770となる。