前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が300円超下落したことや、実需のドル売り・円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、下げ一服後は堅調な動きとなり、さらに米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では110.76まで上昇した。ただ、その後は上値の重い動きとなった。
米国市場では、一旦低下した米長期金利が再び上昇したこともあり、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円で一時110.73まで上昇したものの、欧州時間に付けた110.76には届かなかった。その後は、月末・四半期末を控えたロンドン・フィキシングに向けた円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一服後は、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、週末の米雇用統計を控えていることもあり、小動きの展開が続いた。
米株式市場は、序盤に発表された米経済指標が改善したことを好感し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。その後、ナスダックとS&P500が史上最高値を更新した後に利益確定の動きが優勢となり、主要株価指数はマイナス圏まで下落する場面もあった。ダウ平均株価は、引けにかけて再びプラス圏まで回復し、9.02ドル高(+0.03%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、は27.83ポイント高(+0.19%)で終了し、S&P500と共に終値ベースの最高値も更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比312円安まで下落したことや、欧州で感染力の強い新型コロナウイルスの変異株感染者が増加していることも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、月末・四半期末を控えた実需のドル売り・円買いが観測されたこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は前日の安値の110.50を下周り、一時110.45まで下落し1週間ぶりの安値となった。
(2)下げ一服後、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、欧州主要株価指数が上昇して始まり、堅調な動きとなったことから、欧州通貨や資源国通貨は堅調な動きとなった。一方、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇し、対円でも一時110.76まで上昇した。その後は上昇一服となり、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.476%から1.508%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円で一時110.73まで上昇した。ただ、欧州時間に付けたこの日の高値の110.76には届かなかった。その後は、月末・四半期末を控えたロンドン・フィキシングに向けた円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが再び1.471%まで低下したことも加わり、ドル/円は110.44まで下落した。
(4)下げ一服後は、マイナス圏まで下落した米主要株価指数が持ち直したこともあり、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。ただ、週末に米雇用統計を控えていることもあり、終盤まではやや小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円は4営業日続落となり、ドル/円は一時1週間ぶりの安値を付けた。高値を切り下げる展開が続いており、ドル/円は前日の高値である110.76を上抜けることができるのか注目される。一方、前日安値の110.44の下抜けて安値を更新するのかにも注目したい。
欧州時間では、英国の第1四半期GDP(確報)や、ドイツの雇用統計、ユーロ圏の消費者物価指数の発表が予定されており、結果が注目される。一方、欧州で新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大しており、一部で移動制限などの規制が導入されたこともあり、リスク回避の動き(欧州通貨売り・円買い)も意識されていることから、関連する報道などにも注目したい。また、貴金属価格の下落や、オーストラリアでロックダウンが導入されたこともあり、資源国通貨の動きにも注目したい。
米国時間では、ADP雇用統計の発表が予定されている。マーケットでは、量的緩和策の縮小開始時期が注目されており、それを見極める上で週末の米雇用統計の結果が注目されており、雇用統計を見る上でADP雇用統計の結果が注目されている。市場予想では、前回の大幅増加から伸び幅の縮小が予想されており、予想通りの結果となるのか、予想外の結果となるのか注目される。
6/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
6月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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+55.0万人 | +97.8万人 |
前回は市場予想を上回り、2020年6月以来の大幅な伸びとなった。経済活動の再開で企業が積極的に採用を増やしていることが示された。今回は、前回から伸び幅の縮小が予想されているが、直近の6ヵ月平均である+40.9万人を上回ると見られている。 | ||||
22:45 | 米国 |
6月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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70.0 | 75.2 |
前回は市場予想を大幅に上回る結果となり、1973年11月以来の高水準となった。景気の判断基準となる50を11ヵ月連続で上回り、製造業の堅調さが示された。今回は、前回の反動で低下が予想されているが、依然として高水準が維持されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-1.0% | -4.4% |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月ぶりのマイナスとなった。住宅価格の上昇に加え、在庫減少を背景に、販売が抑制されていることが示された。在庫減や価格上昇が引き続き圧迫要因となっていることから、マイナスが続くと見られている。 |