前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が大幅下落となり、一時前週末比1168円安まで下落、28000円台を割り込む動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされるドルと円が買われる動きとなった。加えて時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は一時109.72まで下落し、6/14以来の安値を付けた。その後は下げが一服となったが、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたことや、低下した米長期金利が持ち直したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなかったものの、FRB高官の発言を受けて米国債利回りの上昇を背景に、ドルは序盤から対円で堅調な動きとなり、一時110.34まで上昇した。一方、米主要株価指数が大幅上昇となったほか、原油価格が2年8ヵ月ぶりの高値まで上昇したことで、投資家のリスク選好の動きが強まる中、ドルと円を売る動きが優勢となり、欧州通貨や資源国通貨はドルと円に対して堅調な動きとなった。その後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したものの、対円でも終盤まで堅調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が前週末まで5営業日続落となった反動で、値頃感の買い戻しが先行し、序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前週末比618ドル高まで上昇、その後は終盤まで高値圏で推移して586.89ドル高(+1.76%)で終了し、6営業日ぶりに反発となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、米長期金利の上昇を背景に序盤にマイナス圏まで下落する場面もあったが、その後は持ち直して111.10ポイント高(+0.79%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、日経平均株価が下落して始まり、前週末比960円超の下落となり、28000円台を割り込む動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドルと円が買われる動きとなった。ドルは米長期金利の低下も加わり対円で軟調な動きとなった。
(2)午後に入っても日経平均株価は下げ幅を拡大し、一時1168円安まで下落したことからドル円・クロス円も下げ幅を拡大する動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で1.439%から1.352%まで低下したことから、ドルは対円で109.72まで下落し、1週間ぶりの安値となった。その後は、日経平均株価の下落が一服したことや、米10年債利回りが上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、アジア時間から米長期金利の指標となる10年債利回りの上昇が続いたこともあり、ドルは対円で堅調な展開で始まった。その後、10年債利回りが1.490%まで上昇したことから、ドル/円は一時110.34まで上昇した。一方、米主要株価指数が序盤から堅調な動きが続いたことで投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルと円を売る動きが優勢となり、欧州通貨や資源国通貨はドルと円に対して堅調な動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きが続いたものの、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
米国時間では、5月の中古住宅販売件数、6月のリッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されている。コロナ後の牽引役となっていた米住宅市場だが、ここにきて資材価格の上昇を背景に住宅価格も上昇していることから、購入を手控える動きが出ている。今回も減少が予定されており、結果を受けた反応に注目したい。一方、パウエルFRB議長の下院での議会証言など、複数の米当局者の発言が予定されている。FRB議長の議会証言では、米経済、雇用、金融政策に関する発言が注目されている。また、米当局者の金融政策に関する発言にも敏感に反応する可能性も考えられることから、発言の内容に注目したい。
6/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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571万件 | 585万件 |
前回は市場予想を下回る結果となり、3ヵ月連続の減少で昨年6月以来の低水準となった。在庫不足に加えて、住宅価格が過去最大の伸びとなったことが影響した。今回は、前回から更に減少が予想されており、購買意欲が高いものの、在庫不足、価格上昇が緩和されなければ、購入は抑制されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
6月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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18 | 18 |
前回は市場予想を下回ったものの、前月から上昇となった。コロナ感染拡大で大きく低下となってからは改善が続いており、底固さが維持されていることが示された。今回は横ばいが予想されているが、引き続き堅調さが維持されると見られている。 |