前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でイベントや経済指標の発表が終了し、材料出尽くし感に加え、週末であったことから、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。さらに、日経平均株価や米長期金利が小幅な動きに留まったことも影響し、東京市場でのドル/円は、上下17銭以内の狭いレンジ内の動きとなった。一方、ユーロは序盤から小幅ながら底固い動きが続き、ポンドも米英首脳会談の内容が好感されて、ドルや円に対して堅調な動きとなった。
NY市場では、前日の消費者物価指数の発表を終えた週末ということもあり欧州時間から米国債利回りの上昇が続いたことや、6月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、109.84まで上昇し、6/4以来1週間ぶりの高値を付けた。一方、クロス円は米主要株価指数が序盤の上昇から一時マイナス圏まで下落したことから軟調な動きとなった。その後、ドルの上昇が一服し、上値の重い動きとなり、クロス円は引けにかけて主要株価が再び上昇してプラス圏まで値を戻して引けたことから、底固い動きとなった。
米株式市場では、米金融緩和策の継続期待を背景に、ダウ平均株価は前日比151ドル高まで上昇した。その後は、今週注目されたイベントや経済指標の発表が終了したことに加え、週末に伴う手仕舞い売りなどに押され、ダウ平均が137ドル安まで下落するなど、主要株価指数はマイナス圏に沈む場面もあった。ただ、米景気回復に伴うインフレ加速への懸念が後退したことが下支え要因となり、引けにかけては値を戻す動きとなった。ダウ平均株価は、13.36ドル高(0.04%)まで値を戻して終了し、ハイテク株中心のナスダックは49.09ポイント高(+0.35%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、マーケットで注目されていた前日のECB理事会の結果発表、ECB総裁の会見や、5月の米消費者物価指数の発表が終了したことで、材料出尽くし感からドル円・クロス円は序盤から限定的な動きとなった。また、週末を控えて方向感に乏しい動きが見られたものの、ドルは実需のドル買いも観測され、仲値公示にかけて109.45まで上昇する場面もあったが、値動きは限定的だった。
(2)取引序盤にSQを消化したことから、午後に入り日経平均株価が上下70円以内の狭いレンジ内の動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その中で、前日のジョンソン英首相とバイデン米大統領との会談内容が好感されたこともあり、ポンドは主要通貨に対して底固い動きが続いた。一方、ECB理事会で経済見通しが引き上げられたことが好感され、ユーロもドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)欧州時間序盤には、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3/2以来の低水準となる1.426%まで低下していたが、、米債券市場でのポジション調整を背景に上昇に転じたことを受けてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米国市場では、6月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いた。対円では、前日の高値の109.80を上抜けて一時109.84まで上昇し、6/4以来1週間ぶりの高値を付けた。一方、欧州通貨やオセアニア通貨を中心に対ドルで下落が続いたことや、上昇して始まった米主要株価指数がマイナス圏まで下落したことも加わり、軟調な動きとなった。特に、ユーロはロンドンフィキシングに向けたユーロ売り・ドル買いに加えて、週末のポジション調整のユーロ売りに押され、対円で5/24以来、対ドルで5/14以来の安値を付けた。
(4)ドルの上昇が一服して上値の重い動きとなり、クロス円は引けにかけて主要株価が再び上昇に転じてプラス圏まで値を戻して引けたことから、底固い動きとなった。
本日のトピックス
本日の海外市場では、週明けで欧米の主要な経済指標の発表がないことに加え、明日から始まるFOMCの結果発表を見極めたいとの思惑も加わり、やや限定的な動きが予想されている。その中で、長期金利の指標となる米10年債利回りが、先週末に3月以来の低水準まで低下したものの、その後上昇に転じており、引き続き上昇が続くのかどうかにも注目したい。