前営業日トピックス
東京市場では、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたものの上値の重い動きとなり、ドル円・クロス円もやや上値の重い動きとなった。その後、米国債利回りが小幅ながら上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円で108.90台でまで上昇した。しかし、日本の5月の月例経済報告で日本の景気判断が下方修正されたことを背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時109.18まで上昇し、5/20以来の高値を更新した。さらに、米国債利回りが上昇したこともドルの押し上げに寄与した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、米主要株価指数が上値の重い動きとなったことや、対ドルで軟調な動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米経済の回復加速期待が引き続き材料視され、主要株価指数は堅調な展開で始まった。ただ、景気回復に伴うインフレ高進への懸念が根強いことが上値を圧迫し、小幅反発に留まった。ダウ平均株価は、序盤に前日比97ドル高まで上昇したものの、その後はマイナス圏まで下落するなど上値の重い動きが続き、10.59ドル高(+0.03%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、80.83ポイント安(+0.59%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、序盤に157円安まで下落した日経平均株価が上昇に転じて156円高まで上昇したものの、その後上値の重い動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、米10年債利回りが上げ幅を拡大したことから、ドル/円は堅調な動きが続いた。一方、NZ中銀の金融政策発表では、政策金利の据え置きが発表されたものの、来年9月までの利上げ予想を示したことを受けて、NZドルは米ドルや円に対して上昇した。対円では、一時79.63まで上昇し、2018年2/7以来の高値となった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対し序盤から堅調な動きとなった。米国のワクチン接種の普及に伴い、米景気回復期待が高まる一方、日本の5月の月例経済報告で景気判断が下方修正されたことなどを背景に、ドル買い・円売りが続いたこともあり、ドル/円はアジア時間から堅調な動きが続いた。米国時間では主要な経済指標の発表がなかったものの、クオールズFRB副議長から「今後数カ月間の経済成長、雇用、インフレに関して、上振れた場合、今後の会合で資産購入のペースを調整するための議論を始めることが重要になる」と述べたほか、5年債入札が振るわなかったことで米10年債利回りが1.550%から1.579%まで上昇したことから欧州通貨や資源国通貨に対してドルは堅調な動きが続き、対円でも一時109.18まで上昇した。一方、ロンドンフィキシングに向けてドル買い・円売りが優勢となりユーロは対ドルで一段の下落となり、ポンドも対ドルで下落した。終盤にかけて、欧州通貨や資源国通貨は、米主要株価指数が上値の重い動きとなったことや、対ドルで軟調な動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
米国の景気回復が加速するとの期待が高まっているものの、最近発表された米国の経済指標は強弱まちまちの結果が続いている。マーケットの注目は、米景気回復に伴うインフレの高進、雇用の改善であり、本日発表予定の新規失業保険申請件数(5/22までの週)の改善が続くのか注目されている。また、第1四半期GDP、4月の米耐久財受注の発表も予定されているが、GDPは改定値なので大幅な修正がなければ反応は限定的と見られている。一方、耐久財受注は、変動の大きい航空機の増減が最近の指数を大きく左右しているため、輸送機器を除いた指数に注目したい。
5/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(5/22までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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42.5万件 | 44.4万件 |
前回は3週連続の減少となり、昨年3/13までの週以来の低水準まで改善した。経済活動の制限措置が解除されていることを受けて、労働市場の改善が続いていることが示された。今回も小幅ながら減少が予想されており、着実な改善が続いていることが示されると見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
第1四半期GDP(改定値・前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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6.5% | 6.4% |
前回の速報値は、市場予想を下回る結果となったものの、前期から伸び幅が拡大した。GDPの7割を占める個人消費が7-9月期以来の高水準となったことが押し上げに寄与した。今回の改定値は、速報値から上方修正が予想されており、個人消費が上方修正される見通しとなっていることが影響している。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.8% | 0.8% |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続で伸び幅が低下した。民間航空機が2ヵ月連続の大幅な伸びとなった反動でマイナスとなったことが影響した。輸送機器を除いた受注は市場予想を上回り、昨年7月以来の高い伸びとなった。今回は前月と同じ伸び幅が予想されているが、輸送機器を除いた受注は伸び幅の低下が予想されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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0.5% | 1.9% |
前回は市場予想を下回ったものの、昨年4月以来の大幅なマイナスから改善した。需要は高いものの、在庫不足が引き続き影響したと見られている。今回は、引き続き在庫不足や住宅価格の上昇を背景に、小幅な伸びが予想されている。 |