前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が底固い展開で始まったものの、その後日経平均株価が序盤から大幅下落となったことや、米長期債利回りが低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、午後に入り米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が下げ幅を大幅に縮小したことから、投資家のリスク回避ムードが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落したことから、クロス円はやや上値の重い動きとなったが、米長期金利が上昇したことから、ドルは対円で108.55まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計が良好な結果となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、対円で106.64まで上昇し、昨年6/8以来の高値を更新した。ただ、その後は米長期金利が低下したことや、米主要株価指数が軒並み上げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルと円が売られる動きとなり、クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、2月の米雇用統計が市場予想より良好な結果となったことが好感され、主要株価指数は堅調な展開で始まった。ただ、米10年債利回りが昨年2月以来約1年1ヵ月ぶり高水準となったこと受けて、金利上昇への警戒感から主要株価指数は一時マイナス圏まで下落する場面もあった。しかし、米国債利回りの上昇が一服し、利回りの低下が続いたことから、ダウ平均株価は一時前日比656ドル高まで上昇となるなど、主要株価指数は軒並み堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、572.16ドル高(+1.85%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは196.68ポイント高(+1.55%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル/円が序盤に前日の海外市場で付けた107.96を上抜けて、108.01まで上昇し、昨年7/1以来の108円台回復となった。しかし、時間外取引の米10年債利回りが低下したことからドルは対円で上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から下落し、一時前日比621円安まで下落したことから、クロス円も軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を大幅に縮小する動きとなり、65円安まで下げ幅を縮小して終了したことから、クロス円は堅調な動きとなった。一方、米長期金利も上昇に転じたことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み下落したことから、ドルと円が買われる動きとなり、ドルは米長期金利の上昇も加わり、対円で108.55まで上昇した。
(3)米雇用統計の発表を控えたポジション調整からドルは下げたものの、米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る伸びとなったことや、失業率が昨年3月以来の低水準まで改善したことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.625%まで上昇し、昨年2月以来約1年1ヵ月ぶり高水準となったことも加わり、ドルは対円で欧州時間に付けた108.55を上回り、一時108.64まで上昇して昨年6/8以来の高値を更新した。ユーロは対ドルで昨年11/26以来の安値、ポンドは対ドルで2/12以来の安値まで下落した。
(4)上昇一服後は、米長期金利が低下に転じたことや、米長期金利の上昇を背景にマイナス圏まで下落していた米主要株価指数が軒並みプラス圏まで上昇し、終盤まで上げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルと円が売られる動きとなり、クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時108.09まで下落する場面があったものの、底固い動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計が良好な結果となったこと受けて、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことから、日経平均株価も序盤から堅調な動きとなった。一方、為替市場でも先週末終盤の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなっている。
ここまでドル/円は10日間で約3.50円幅の上昇となっていることもあり、やや高値を警戒する見方も出ている。ただ、米長期金利の上昇が続いていることから、米長期金利が低下しなければ底固い動きが続くと見られており、米長期金利の動向が注目されている。
週明けの米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、限定的な動きが予想されている。ただ、株価や金利動向で動く可能性もあり、株式市場や債券市場の動きが注目される。