前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が軟調な動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなった。一方、本邦実需筋や週末を控えた海外勢のポジション調整も観測される中、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きとなった。その後、バイデン大統領が領土・領海における石油・ガス鉱区のリース権と掘削許可について、法的、政策面での影響を検討するため、暫定的に停止したとの報道を受けて、原油価格が下落したこともあり、資源国通貨が下落するなど。ドルが資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
NY市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後は、米主要株価指数が下落したことからクロス円は上値の重い動きとなり、さらに、米国債利回りが低下したことから、ドルも対円で上値の重い動きとなった。一方、ポンドは、アジア時間から軟調な動きが続いたが、米国時間では下げ一服となり、買い戻しが優勢となった一方、英国のロックダウンが夏まで続くとの観測があることが圧迫要因となり、終盤には上値の重い動きとなった。
米株式市場では、感染拡大による経済活動の停滞が長期化するとの懸念を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、IBMが減収減益の決算を発表したこともダウ平均の圧迫要因となり、ダウ平均株価は一時前日比267ドル安まで下落した。その後はやや下げ幅を縮小したものの、179.03ドル安(-0.57%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にプラス圏まで上昇し、12.15ポイント高(+0.09%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に前日比229円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後も日経平均株価が上値の重い動きが続くなど、マイナス圏で推移したこともあり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。されに、時間外取引の米10年債利回りが低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、米国債利回りが持ち直したこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。バイデン大統領が領土・領海における石油・ガス鉱区のリース権と掘削許可について、法的、政策面での影響を検討するため暫定的に停止したとの報道を受けて、時間外取引の原油が下落したことから、資源国通貨は軟調な動きとなった。バイデン氏が大統領選で新規掘削の全面禁止を公約に掲げおり、気候変動問題への取り組みを重要課題としていたことが背景にある。ドルは資源国通貨に対して堅調な動きとなり、対円でも一時103.70まで上昇した。一方、英国の経済指標が冴えない結果となったこともあり、ポンドはドルや円に対して上値の重い動きが続いた。
(3)欧州市場では、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、米国市場でも堅調な流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、ストップロスを巻き込んで一時103.89まで上昇したものの、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(4)米主要株価指数が下落したことからクロス円は上値の重い動きとなり、さらに、米10年債利回りが低下したことも加わり、ドル/円も上値の重い動きとなった。一方、アジア時間からドルや円に対して軟調な動きが続いたポンドは、下げが一服となり買い戻しが優勢となった。ただ、英国のロックダウンが夏まで続くとの観測があることが圧迫要因となり、終盤には上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
週明けの海外市場では、欧州時間にドイツの1月のIFO企業景況感指数の発表が予定されており、ロックダウンなどの影響が表れているのか注目される。一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい展開が予想される。また、先週末に原油価格の下落などもあり、豪ドルなどの資源国通貨が上値の重い動きとなっている。豪ドルなどオセアニア通貨は、昨年から主要通貨に対して上昇が続いていたが、ここにきてやや上値の重い動きとなっている。ことから一段の上昇となるのか、調整の動きが強まるのか、ここからの動きが注目されている。