前営業日トピックス
東京市場では、バイデン次期米大統領の1.9兆ドル規模の景気対策案が発表されたが、マーケットの反応は限定的だった。しかし、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に下落し、その後下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利の低下もドルの圧迫要因となった。一方、欧州でロックダウンの継続や制限措置の強化が相次いだことから、欧州経済の先行き懸念が高まり、ユーロはドルや円に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなり、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドルや円が買われる動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったこと受けて、米景気回復の遅れが懸念されたことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなり、一時前日比378ドル安まで下落した。その後は、下げ幅を縮小したものの、177.26ドル安(-0.57%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは114.14ポイント安(-0.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、次期米大統領のバイデン氏の経済対策の発表を控えて、序盤のドル円・クロス円は小動きの展開となった。そして、バイデン氏の大型経済対策が発表され、現金給付などを含む「救済計画」と「回復計画」の2段構えとすることを明らかにしたが、前日に経済対策の規模が報道されていたこともあり、反応は限定的だった。
(2)上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落し、下げ幅を拡大する動きとなったことから、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、前日の海外市場で上昇が続いた米10年債利回りの低下が続いたことから、ドルは対円で上値の重い動きとなった。一方、中国が停止されていた豪州産の石炭貨物の輸入を検討しているとの報道を受けて、豪ドルが上昇する場面もあったが、反応は一時的だった。一方、欧州で新型コロナウイルスの感染拡大抑制のためのロックダウンの継続や、制限措置の強化が相次いだことから、欧州経済の先行き懸念が高まり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された12月の米小売売上高、NY連銀製造業景気指数、1月のミシガン大学消費者信頼感指数がいずれも冴えない結果となったことから、米主要株価指数が序盤から下落したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドルや円が買われる動きとなった。一方、欧州時間からの流れを引き継ぎ、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
(4)ドルは上昇一服後に上値の重い動きとなったが、欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きが続いたこともあり、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
ECB理事会の議事要旨や当局者からのユーロ高に懸念に加え、イタリアやオランドの政局不安を背景に、ユーロはドルや円に対して軟調な動きとなっていた。加えて、欧州で新型コロナウイルスの感染拡大抑制のためのロックダウンの継続や、制限措置の強化が相次いだことから、欧州経済の先行き懸念が高まり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いており、ドルや円などに対してさらに下落となるのか注目されている。
ユーロ売りが続く場合、中国が停止していた豪州産の石炭の輸入を検討しているとの報道や、英中銀のマイナス金利の可能性が後退したことを背景に、引き続き豪ドルやポンドに買いが集まる可能性も考えられる。
一方、米長期金利の動向がドルの動きを左右する展開が続いていたことから、今週も米長期金利の動きが注目される。ただ、本日は米国市場がキング牧師生誕記念日の祝日で休場となることから、限定的な動きが予想されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は、121.62からのトレンドラインや、サポートを下抜けて一段の下げとなっている。現状では、一目均衡表の雲上限近辺に近づいており、ここを下抜けて軟調な動きが続くのか、雲上限ラインに沿って底固い動きが続くのか注目されている。
オシレーターのMACDでは、両線下向きが継続しており、下振れに合わせて乖離幅が拡大傾向となっている。ここから乖離幅の拡大が続き、尚且つ両線がゼロラインを下抜ける場合には、一段の下げを示唆する形状となることから、両線の動きにも注目だ。
また、一目均衡表では遅行スパンが価格帯を下抜けており、基準線と転換線はともに126.367となってる。明日には両線がクロスとなり、さらに雲下限を下抜ける場合には三役逆転の弱気シグナルとなることから、目先の重要な下値のポイントは雲下限ライン(週末まで124.178)となる。