前営業日トピックス
日本市場が休場だったことから、新規材料に乏しく、アジア市場では序盤から小動きの展開となった。その中で、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では再び104円台まで上昇した。その後、欧州主要株価指数が下落したことから、ドルや円が買われた。
米国市場では、欧米の主要株価の下落を受けて、投資家のリスク回避の動きが意識され、序盤はドルと円が買われた。さらに、米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は一時104.40まで上昇し、昨年12/10以来の高値を付けた。その後、序盤に下落した米主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドルと円の買いが一服し、クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念や、トランプ米大統領の弾劾訴追を巡る政治的な混乱を背景に、ダウ平均株価が序盤に前週末比265ドル安まで下落するなど、主要株価指数は軟調な動きとなった。その後、ダウ平均株価が序盤の下げ幅を縮小し、89.28ドル安(-0.29%)で終了、一方、ハイテク株中心のナスダックは165.54ドル安(1.25%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想外のマイナスとなったものの、バイデン氏の追加経済対策への期待感などもあり、下値は限定的だった。週明けのアジア市場では、日本市場が休場となり、新規材料に乏しい中、前週末の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。ユーロやポンドは対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。その後は、市場参加者が少ないこともあり、小動きの展開が続いた。
(2)欧州市場では、欧州主要株価指数や米株価先物が下落したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドルと円が買われる動きとなった。さらに、米国市場にでは米国債利回りが上昇したことも加わり、ドルは対円でも堅調な動きとなり、一時104.40まで上昇し、昨年12/10以来の高値を付けた。一方、英保健当局者が英国の感染状況に関して、今後数週間が最悪の期間になるという見方を示したことや、英中銀の金融政策委員会の委員がマイナス金利の可能性に言及したことから、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)序盤に下落した米主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドルと円の買いが一服し、クロス円は底固い動きとなった。さらに、トランプ米大統領の弾劾訴追を巡る米国の政治的な混乱に対する懸念も影響し、ドルは終盤まで主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、ポンドは下げが一服し、ドルや円に対して底固い動きとなった。
本日のトピックス
休場明けの東京市場では、日経平均株価が下落して始まったものの、その後プラス圏まで上昇している。為替市場では、新規材料に乏しいこともあり、ドル円・クロス円は序盤から狭いレンジ内の動きとなっている。引き続き、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大や米国の政治的混乱などもあり、内外の株式市場の動きが注目されるだろう。
特に、米国株式市場では、このところの米金利の急上昇を受けて、高値警戒感も出ており、昨日の米主要株価指数は反落している。本日の東京時間では、時間外取引で米国債利回りが上昇しており、米10年債利回りは一時1.148%台まで上昇し、昨年3月以来の高水準となっている。そのため、本日の米株式市場の動きが注目されている。一方、経済指標では、11月のJOLT労働調査[求人件数]の発表が予定されているものの、結果を受けた反応は限定的と見られている。
1/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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640.0万件 | 665.2万件 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となった。ただ、自発的離職者やレイオフ、解雇された人は前月からともに上昇しており、雇用された労働者は前月から減少している。求人件数の増加とともに、雇用者数が増えるのか注目したい。 |