前営業日トピックス
米大統領選を来週に控え、積極的な取引が見送られ、序盤はやや上値の重い動きとなった。その後、ドルは欧州通貨や人民元に対して上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米株価先物市場でダウ先物が下落したことで、リスク回避の動きが意識されてこともドルの押し上げに寄与した。ドル/円は、104.97まで上昇したが、105円台を前にして上値の重い動きとなった。一方、ユーロはドイツの経済指標が悪化したことが嫌気され、主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドルは、対円で一時105.05まで上昇したものの、105円台では上値の重い動きとなり、105円台に留まれなかった。その後、米国の追加の経済対策の合意期待が後退したことや、米国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることを受けて米主要株価が大幅下落となり、リスク回避の円買いが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、欧米で新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大していることや、米国の追加経済対策の合意期待が後退したことを背景に、ダウ平均株価が一時前週末比965ドル安まで下落するなど、主要株価指数は大幅下落となった。ダウ平均株価は終盤にかけて下げ幅を縮小したものの、650.19ドル安(-2.29%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは189.34ポイント安(-1.64%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円はやや上値の重い展開で始まった。上昇して始まった日経平均株価が上値の重い動きとなったことも影響した。その中で、米国債利回りが低下したものの、欧州通貨や人民元などに対してドルは堅調な動きとなり、対円でも底固い動きとなった。さらに、米大統領選を控えてポジション調整の動きから、投機筋のドル買い戻しの動きとの見方もあった。
(2)午後に入り、上昇して始まった日経平均株価が午後にマイナス圏まで下落したことや、米株価先物市場でダウ先物が200ドル安となったことから、投資家のリスク回避の動きからドルが買われ、ドル/円は一時104.97まで上昇した。ドル/円の上昇に連れて、クロス円も底固い動きとなった。
(3)欧州市場では、欧州の主要株価指数が軟調な動きとなったことや、ドイツIFO経済研究所が発表した10月の企業景況感指数が予想以上に低下したことが嫌気され、ユーロはドルや円に対して下落した。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。欧米の株価下落を背景にドル買いが優勢となり、ドルは対円でも堅調な動きとなり、一時105.05まで上昇した。
(4)105円台ではドル売りなども観測され、ドル/円は105円台には留まれず上値の重い動きとなった。その後、米国の追加の経済対策を巡る与野党協議が難航しており合意期待が後退したことや、米国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることが懸念され、ドルの上値が圧迫された。さらに、ダウ平均株価が前週末比960ドル超下落したことも加わり、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米大統領選を来週に控えてマーケットでは様子見ムードが広がるとの見方があったものの、フランスや米国などで新型コロナウイルスの感染者数が再び急増していることから、前日の海外市場では、欧米の主要株価指数が大幅下落となるなど、リスク回避の動きが強まった。その影響で、東京市場でも日経平均株価が下落するなど、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなっている。
さらに、米国の追加経済対策を巡る与野党協議に関しても大統領選前までに合意できるのかが不透明であることが、ドルの上値を抑える要因となっており、前日の米国市場でドル/円は一時105円台まで上昇したものの、105円台に留まれなかった。チャート上のパターンとして、21日の大幅下落(長大陰線)の後、3日間で十分な戻りが見られない場合、4日に下振れするケースもあることから、本日の動きが注目される。
米国市場では、9月の耐久財受注、10月の消費者信頼感指数の発表が予定されており、ともに良好な結果が予想されている。ただ、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と予想されている。
10/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.5% | 0.5% |
前回は市場予想を上回ったものの、前月から伸び幅が低下した。自動車や国防関連の受注減少が影響したものの、設備投資は増加した。今回は、前回から横ばいの伸びが予想されており、5ヵ月連続でプラスの伸びが維持されるのか注目したい。一方、変動の激しい輸送機器を除いた受注も5ヵ月連続でプラスとなるのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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101.9 | 101.8 |
前回は市場予想に反して上昇となり、3月以来の高水準となった。上昇幅では、2003年4月以来の大きな伸び幅となった。景気と労働市場の楽観的な見通しが押し上げ要因となり、現況指数は6ヵ月以来、期待指数は3ヵ月以来の高水準となった。今回は、小幅上昇が予想されており、依然としてコロナ感染拡大前の水準には及ばないものの、着実な改善が示されるのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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18 | 21 |
前回は市場予想を上回り、2018年9月以来の高水準となり、過去最低水準となった4月の結果から5ヵ月連続の上昇となった。今回は、6ヵ月ぶりの低下が予想されているが、依然として高水準を維持するとみられている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ポンド/円は、日柄的に相場の方向性が変わりやすいとされるポイントで、それまでの底固い動きから上値の重い動きに転換しており、一目均衡表の雲下限ライン近辺で上値の重い動きとなっています。トレンドライン近辺まで下落しており、ここを下抜けて一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されます。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が小さく有効なシグナルが掴みにくい形状ですが、短期のストキャスティクスでは両線がすでにクロスして下向きとなっています。
目先の下値はトレンドラインの136.36、ここを下抜ける場合には基準線の135.424がポイントと考えられます。なお、基準線は明日から下落が続き、週末には135.806となることから、基準線を下抜けるかどうか注目されます。一方、上値は雲下限ラインがポイントとなり、上抜けて雲の中の展開となるのか注目されます。