前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。五・十日で実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時105.60まで上昇し、1週間ぶりの高値となった。一方、豪中銀が公表した10月理事会の議事要旨では、非常に緩和的な政策を必要な限り維持することで一致したことが確認されたことから、豪ドルは軟調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は、上値が重い動きとなった。
米国市場では、米追加経済対策を巡る与野党協議が合意に達するとの期待感や、新型コロナウイルスのワクチン開発が進展しているとの見方を背景に、米主要株価指数が上昇したことでドルや円が売られた。一方、ユーロは欧州時間からドルや円に対して堅調な動きを続け、NY市場序盤には対ドルで9/21以来、対円で10/9以来の高値を付けた。ドルは、米国債利回りの上昇を受けて、対円で一時105.75まで上昇し、10/12以来の高値となった。終盤にかけて、米主要株価指数が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、米追加経済対策を巡る与野党協議で何らかの合意に至るとの期待感や、新型コロナウイルスのワクチン開発が進展しているとの見方が支援材料となり、ダウ平均株価は一時前日比379ドル高まで上昇、その後上げ幅を縮小したものの、113.37ドル高(+0.40%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは37.61ポイント高(+0.33%)で終了し、6営業日ぶりに反発した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まったものの、五・十日で仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、前日高値の105.50を上抜けて一時105.61まで上昇し、10/13以来1週間ぶりの高値となった。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなり、152円超下落となったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、豪中銀理事会の議事要旨で、利下げや国債買い入れなど追加緩和の可能性を議論したことが明らかになったことから、豪ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
(3)欧州時間には、米株価先物が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ユーロはドルや円に対して堅調な動きが続き、対ドルで9/21以来、対円で10/9以来の高値を付けた。一方、米追加経済対策を巡る与野党協議が合意に達するとの期待感や、新型コロナウイルスのワクチン開発が進展しているとの見方を背景に、米主要株価指数が上昇したことで投資家のリスク選好が意識されてドルや円が売られた。ドル指数は、一時9/21以来1ヵ月ぶりの低水準となった。一方、米10年債利回りが1ヵ月ぶりの高水準まで上昇したことや、住宅許可件数が2007年以来の高水準となったことも加わり、ドルは対円で一時105.75まで上昇、10/12以来の高値となった。
(4)ドルは、対円で上昇一服後は上値が重く、さらに終盤にかけて、米主要株価指数が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値が重い動きとなった。一方、英国のEU離脱に関して、英国の首席報道官が前日にEU側の姿勢に根本的な変化がなければ協議再開の意味がないと発言したことを受けて、協議の難航が続くとの見方が燻っており、ポンドは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米国の追加経済対策を巡る与野党協議で、野党が設定した交渉期限(20日)を迎え、ペロシ下院議長が合意に向けて楽観しているとの見方を示したこともあり、何らかの合意に至るとの期待が高まり、米主要株価指数が上昇するなど、投資家のリスク選好の動きとなった。米国の追加経済対策に関する発表や関係者の発言には注目したい。
欧州では、経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいことから、新型コロナウイルス感染が再拡大していることに関する報道などに反応する可能性もあるだろう。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、翌日の大統領選候補者の討論会が予定されていることもあり、やや限定的な動きも考えられる。ただ、午後にはベージュブック(米地区連銀経済報告)の発表が予定されており、次回のFOMCの資料となることから、各地区からの報告内容には注目したい。特に、景気回復の進展具合などが注目される。