前営業日トピックス
東京市場では、ドル円は円売りで始まったものの、その後は上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、そして下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、週末であることや、米国の政治・経済について先への不透明感などもあり、全般的に限定的な動きが続いた。その後、欧州時間に入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、ドルは欧州通貨などに対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。
米国市場では、米政権の追加経済対策の1.8兆ドル規模に増額する報道を受けて、主要株価指数が堅調な動きとなり、投資家のリスク選好の動きからドルや円を売る動きが優勢となり、クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨などに対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。一方、英財務相が新たな雇用支援策を発表したことが好感され、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比250ドル高まで上昇した。その後は上値の重い動きが続き、161.39ドル高(+0.57%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは158.96ポイント高の(+1.39%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落し、さらに下げ幅を拡大したことを受け、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、ドル/円は、序盤に付けた106.04から105.81まで下落した。ただ、新規材料に乏しい中、全般的に狭いレンジ内の動きが続いた。一方、中国が大型連休明けとなり、中国人民銀行(中銀)の人民元の対ドル基準値が元高水準となったことで、オフショア人民元は対ドルで一時2019年4月以来の高値を付けた。対円では2/25以来の高値を付けた。
(2)下げ一服後、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、欧州主要株価指数や米株価先物が堅調な動きとなったこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、対欧州通貨などに対して軟調な動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、トランプ政権の追加経済対策が1.8兆ドル規模に増額されるとの報道を受けて、主要株価指数が堅調な動きとなり、投資家のリスク選好の動きからドルや円を売る動きが優勢となった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨などに対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤に付けた米国市場の高値105.95から105.58まで下落した。一方、英財務相が、従業員給与支援を含む新たな雇用支援策を発表したことが好感され、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで9/8以来、対円で9/10以来の高値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
先週末に、トランプ政権が追加の経済対策を1.8兆ドル規模への増額を準備しているとの報道を受けて、追加経済対策への期待感を背景に主要株価指数が上昇するなど、投資家のリスク選好の動きが優勢となった。ただ、民主党との協議の動向を見極めたいとの思惑から上値は限定的となり、週明けの東京市場でも日経平均株価が下落して始まるなどから、ドル円クロス円も上値の重い動きとなっている。
本日は、米国市場がコロンブスデー(Columbus Day)の祝日で一部の市場が休場となる。債券市場が休場となり、株式市場などはオープンしているものの、市場参加者が少くなることから、限定的な動きが予想されている。その中で、経済対策を巡る動向や、大統領選に関連した報道などには注目したい。