前営業日トピックス
東京市場では、米大統領選候補者のテレビ討論会を控えて様子見ムードが高まり、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。仲値公示にかけては、月末・四半期末に伴う実需のドル買い観測などもあり、ドル/円は一時105.80まで上昇した。その後、米大統領選候補のテレビ討論会でバイデン氏が優勢との見方から株売りが優勢となり、リスク回避の動きが優勢となった。ドル/円は105.40まで下落したものの、値頃感の買い戻しや、下落した米株価先物が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は値を戻した。
米国市場では、ドルは欧州通貨などに対して堅調な動きとなり、対円でも一時105.74まで上昇したものの、アジア時間に付けた高値の105.80には届かなかった。その後、米主要株価指数が大幅上昇したことや、月末のロンドンフィキシングに向けてたドル売りも観測され、ドルは上値の重い動きとなった。終盤には、米国の追加の経済対策を巡り与野党に大きな隔たりがあると当局者が発言したことを受けて、米主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比573ドル高まで上昇した。ただ、終盤には上げ幅を縮小し、329.04ドル高(+1.20%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、82.26ポイント高(+0.74%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本時間午前10時から予定されていた米大統領選候補のテレビ討論会を控えて積極的な売買が手控えられており、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、月末の実需のドル買いが観測されたことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル/円は105.80まで上昇し、9/15以来の高値を更新した。
(2)米大統領選候補のテレビ討論会では、トランプ大統領がバイデン氏の発言途中に割り込んで発言したことから司会者にさえぎられるなど、やや熱くなる場面もあり、バイデン氏有利との見方も広がった。バイデン氏優勢との見方から、法人税が引き上げられるとの連想となり、株価が下げに転じ、米株価先物市場ではダウ先物が高値から550ポイント超下落となり、それに連れて日経平均株価も350円以上の下げとなった。この動きを受けて、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は下落となった。
(3)下げ一服後は、下落した米株価先物が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円も値を戻した。ただ、ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨に対して軟調な動きとなったこともあり、ドル/円は105.74までの上昇に留まり、アジア時間に付けた高値の105.80には届かなかった。
(4)米国市場では、ADP雇用統計や、シカゴ購買部協会指数が予想を上回る結果となったものの、ドル/円は再び105.74までの上昇に留まった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが0.7021%まで上昇し、9/17以来の0.70%台乗せとなったこともドル下支え要因となった。その後は、欧州通貨などに対して下落したことや、月末のロンドンフィキシングに向けた欧州通貨買い・ドル売りが観測されたことも影響し、ドルは上値の重い動きとなった。
(5)終盤にマコネル上院院内総務が、追加の経済対策を巡り与野党間に大きな隔たりがあると発言したことを受けて、米主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
本日の欧州時間に、ドイツやユーロ圏の9月の製造業PMI(確報値)の発表が予定されており、特に速報値からの修正がある場合にはユーロ相場に影響する可能性もあることから、結果が注目される。一方、米国市場では、9/26までの週の新規失業保険申請件数の発表が予定されており、労働市場の改善ペースの鈍化が指摘されている中で、週末に米雇用統計を控えていることもあり、結果に対して敏感に反応する可能性も考えられる。一方、9月米ISM製造業景況指数の発表も予定されており、米国の製造業の好調さが示唆されるのかにも注目したい。
10/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(9/26までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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85.0万件 | 87.0万件 |
前回は市場予想を上回る結果となり、前週からも増加した。一方、継続受給者数も予想を上回ったものの前週から減少した。ただ、依然として労働市場の改善スピードの鈍化傾向が示されており、今回はともに前週からの減少が予想されているが、引き続き改善の鈍化傾向が示されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ISM製造業景況指数
SM製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.3 | 56.0 |
前回は市場予想を上回り、4ヵ月連続の上昇で2018年11月以来の高水準となった。新規受注や生産、雇用が上昇したことが押し上げ要因となり、米製造業の改善が続いていることが示された。今回は、小幅ながら上昇が継続すると予想されており、製造業の改善が続いていることが示されるだろう。 |