前営業日トピックス
アジア市場では、東京市場が休場となり新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。ただ、ユーロ圏の一部や英国で再び新型コロナウイルスの感染が拡大したこともあり、ユーロやポンドは上値の重い動きとなった。特に、英国がロックダウンとなるとの懸念が広がったことから、ポンドは大きく下落した。しかし、英首相がロックダウンを否定したこともあり、ポンドは反発する場面もあった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、シカゴ連銀総裁がインフレ目標達成前に利上げする可能性に言及したこともドルの押し上げ要因となった。一方、ユーロ圏や英国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることが懸念材料となり、ドルや円に対して上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が上昇して始まったものの、その後はマイナス圏まで落ち込み、一時前日比157ドル安まで下落した。しかし、その後は再び堅調な動きとなり、140.48ドル高(+0.52%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは184.84ポイント高(+1.71%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア市場では、前日に続き日本市場が休場だったことから新規材料に乏しく、限定的な動きが続いた。欧州時間には欧州主要株価指数が上昇して始まったこともあり、ユーロなどは底固い動きとなった。しかし、欧州の一部や英国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、英国ではロックダウンになるとの懸念から、ポンドはドルや円に対して軟調な動きとなり、ポンド/円は133.05まで下落し、6/30以来の安値となった。しかし、英首相がロックダウンを否定し、パブやレストランの営業時間の縮小に留めたことからポンドは反発となり、ポンド/円は134.39まで反発した。
(2)米国市場では、序盤に発表された8月の中古住宅販売件数、9月のリッチモンド連銀製造業指数が良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、シカゴ連銀総裁が、米経済は危機前の90%戻したとし、FRBはインフレ目標達成前に利上げする可能性に言及したこともドルの押し上げ要因となった。ドル/円は、欧州時間に付けた104.41から105.08まで上昇した。一方、ユーロ圏や英国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、拡大防止措置が導入されていることもあり、ドルや円に対して上値の重い動きとなった。ユーロは対ドルで8/4以来、ポンドは対ドルで7/23以来の安値となった。
(3)上昇一服後は、米国債利回りの低下などもあり、ドル/円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、連休明けの日経平均株価など株式市場の動きが注目される。一方、欧州市場では、ユーロ圏の一部の国や英国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることが欧州通貨の懸念要因となっており、関連する報道や要人発言には引き続き注目したい。また、経済指標では、ドイツやユーロ圏の9月の製造業PMI・非製造業PMIの発表が予定されており、こちらの結果も注目されている。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、前日に続いてパウエルFRB議長の議会証言が予定されているが、内容は前日の変わらないと見られている。ただ、クリーブランド連銀総裁、シカゴ連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、アトランタ連銀総裁、サンフランシスコ連銀総裁、クオールズFRB副議長の講演などでの発言が予定されている。昨日も、米国経済や金融政策に関する発言には反応していることから、引き続き発言の内容が注目されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、雲下限ラインを下抜けて一段の下げとなり、前回安値水準の104円台前半まで下落しました。その後は値を戻しており、一旦底打ちしたとの見方もできます。ここから、堅調な動きが続いて、前回の104円台まで下落した後のような動きとなるのか、再び上値の重い動きとなるのか注目されます。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインも上向きに転じていることから、ここからさらなる乖離幅の縮小、両線のクロスなどに注目です。
上値のポイント
(1)105.130(転換線)(2)105.475(基準線)(3) 105.965(雲下限ライン)
下値のポイント
(1)104.825(本日安値)(2)104.408(前日安値)(3)104.004(直近安値)