前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ユーロやポンドなどの主要通貨に対してドルが堅調な動きとなったこともあり、ドル/円は一時上昇する場面もあった。しかし、米株価先物市場でダウ先物が大幅下落となったことや、米国債利回りが低下したこともあり、ドル/円は軟調な動きが続いた。一方、欧州株や米株価先物の下落を受けて、クロス円も上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は一時104.53まで下落し、7/31以来の安値を更新した。その後、値を戻したものの、前日のFOMCで金融緩和策の長期化が示唆されたこともあり、戻りは限定的だった。一方、英金融政策委員会で、マイナス金利の有効性に関して議論されたことが明らかとなったことを受けて、ポンドは急落となった。しかし、英国とEUの通商問題に関して、欧州委員長が合意可能との見方を示したとの報道を受けて、ポンドの買い戻しが優勢となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比384ドル高まで下落した。その後、プラス圏まで反発する場面もあったが、130.40ドル安(-0.47%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは140.19ポイント安(-1.27%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ユーロやポンドなどの欧州通貨や、豪ドルなどの資源国通貨が対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。一方、ドル/円は序盤に104.88まで下落したものの、104円台では短期筋を中心に値頃感の買い戻しが優勢となり、一時105.17まで上昇した。
(2)日経平均株価がマイナス圏で上値の重い動きが続いたことや、米株価先物市場でダウ先物が350ポイント超下落したこともあり、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。さらに、米10年債利回りが0.690%から0.665%まで低下したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は一時104.70まで下落した。
(3)欧州市場では、欧州主要株価指数が下落して始まったことや、米株価先物市場でダウ先物の下落が続いたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その中で、英中銀のMPC(金融政策委員会)でマイナス金利の有効性に関して議論されたことを受けてポンドは急落となり、ポンド/円は政策発表前の135.74から134.58まで下落した。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤に一時104.53まで下落し、7/31以来の安値を更新した。しかし、値頃感の買い戻しから反発が見られたものの、前日のFOMCで金融緩和策の長期化が示唆されたこともあり、戻りは104.80台までにとどまり、終盤まで上値の重い動きが続いた。一方、大幅下落となったポンドは、英国とEUの通商問題に関して、欧州委員長が合意は可能との見方を示したとの報道を受けて買い戻しが優勢となり、一時136.00まで上昇した。また、南ア中銀の金融政策発表では、利下げ予想がある中で政策金利の据え置きが決定されたことが好感され、ランドは堅調な動きとなった。ランド/円は、発表直前に6.37から6.47まで上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、FOMCや日銀など、各国の金融政策発表が終了したこともあり、イベント終了の一服感から限定的な動きとなっている。さらに、週末で東京市場の4連休を控えていることで、実需の売買も手控えられるとの見方もあり、小動きの展開が続く可能性が考えられる。ただ、英国のEU離脱問題に絡む通商交渉に関して、昨日も要人発言を受けて大きく動きが出ていることから、欧州時間における要人発言や関連する報道には引き続き注意したい。
米国市場では、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されているが、依然として緩やかな改善が示される可能性があり、ややドルの上値を圧迫する可能性も考えられる。
9/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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75.0 | 74.1 |
前回の8月確報値は市場予想を上回り、速報値からも上方修正となった。現況・期待指数ともに上方修正されたが、依然として新型コロナウイルス感染前の水準(2月は101.0)を大きく下回っており、消費者には依然として懸念が残っていることが示された。今回の9月速報値は、8月確報値から上昇が予想されているが、小幅にとどまると予想されている。 |