前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時250円超上昇したものの、その後はは上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。手掛かり材料に乏しい中、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その後、ドルが主要通貨に対して下落したこともあり、ドル/円は小幅ながら一段の下げとなった。一方、ユーロは対ドルで底固い動きとなったものの、欧州時間には、フランスやドイツの経済指標が予想外の悪化となったことから、ユーロは主要通貨に対して下落した。
米国市場では、序盤に発表された8月の製造業・非製造業PMIが市場予想を上回ったことや、7月の中古住宅販売件数が2006年12月以来の高水準となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が上げ幅を拡大したことや、米長期債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は106.07まで上昇した。一方、フランスやユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことから、ユーロ圏経済の先行き警戒感が強まり、ユーロは欧州時間からドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤マイナス圏で推移したものの、その後は終盤まで堅調な動きが続き、一時前日比219ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、190ドル高(0.69%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、46ポイント高(+0.42%)で終了し、2日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して上値の重い展開で始まった。日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比254円高まで上昇したものの、その後は上げ幅を縮小し、53円高まで上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル/円は底固い動きとなったものの、仲値通過後は週末を控えたポジション調整の動もあり、やや方向感の乏しい展開となった。その後、ドルが対ユーロやポンドなどに対して下落したことから、対円でも一段の下げとなった。欧州市場では、序盤に発表されたフランスの製造業PMIが予想以外の50割れとなり、ドイツのサービス業PMIも予想以上の低下となったことから、ユーロは主要通貨に対して下落した。さらに、ドル/円やその他のクロス円も連れ安となった。
(3)ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨や、資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。米国市場序盤は、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、米長期債利回りの低下が影響して、ドル/円はやや上値の重い動きとなる場面もあった。
(4)8月の製造業・非製造業PMIが市場予想を上回ったことや、7月の中古住宅販売件数が2006年12月以来の高水準となり、伸び率では過去最大となったことを受けて、新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した米景気の回復への期待が高まり、米主要株価が上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が上げ幅を拡大したことや、米長期債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は106.07まで上昇した。一方、経済指標が冴えない結果となったことから、ユーロ圏経済の先行き警戒感が強まり、ユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。さらに、英国とEUの通商問題に関する会合で進展が見られなかったことから、月内の合意が難しくなったとの見方が広がり、ポンドもドルや円に対して軟調な動きとなった。 終盤には、上昇していた米長期債利回りが低下したこともあり、終盤までドルは上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
本日は、欧米の主要な経済指標の発表がないことや、週後半に大きなイベント(ジャクソンホール・シンポジウム)を控えていることもあり、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。その中で、ドルは主要通貨に対して底固い動きが続いているものの、対円では106円台で上値の重い動きが続いており、106円台に定着できるのか注目される。一方、ユーロは先週末のユーロ圏経済指標が冴えない結果となったこと、またポンドはEUとの通商協議が難航していることが影響し、それぞれドルや円に対して軟調な動きとなり、高値から反落となっている。こちらも先週の動きを引き継ぎ、上値の重い動きとなるのか、調整一服となるのか注目されている。