前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを受けて、ドルは序盤から底固い動きとなった。一時ドル/円は106.22まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下などもあり、上値の重い動きとなった。一方、日経平均株価が軟調な動きとなり、午後に入り下げ幅を拡大し、一時250円超下落したことからクロス円も軟調な動きとなった。さらに、欧州主要株価指数が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。その後は、米主要株価指数が下落して始まったことや、米長期金利の上昇もあり、ドル/円は一時106円台まで上昇した。しかし、106円台では上値の重い動きとなり、さらに、ドルが主要通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きが続き、終盤には105.74まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比166ドル安まで下落した。その後は上昇に転じ、終盤に88ドル高まで上昇する場面もあったが、46ドル高(+0.17%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、118ポイント高(+1.06%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドルは、金融緩和策を強化するとの思惑が後退したことや、米国の追加経済対策の合意期待が高まったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、海外市場で付けた高値の106.10を上抜けて、106.22まで上昇した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、新規材料に乏しい中で、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比258円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)欧州市場では、欧州主要株価指数が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数(8/15までの週)が市場予想を上回り、再び100万件を上回る結果となったことや、8月フィラデルフィア連銀景況指数が予想以上の低下となったことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して下落した。
(4)ECBの議事要旨で、景気の下振れリスクに言及されていたことが明らかとなり、ユーロが主要通貨に対して下落、ドルは対ユーロで上昇となり、対円でも一時106円台まで上昇した。しかし、106円台では上値の重い動きとなり、さらに、その後ユーロやポンドに対してドルの下落が続いたこともあり、ドル/円は終盤に105.74まで下落した。
本日のトピックス
昨日は、106円台まで値を戻したものの、106円台では上値の重い動きとなり、何度も押し戻された。海外市場では、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤からドル/円は上値の重い動きとなり、105.62まで下落した。ここから再び106円台乗せを試すのか、ジリ下げとなり8/19に付けた105.10を目指す展開となるのか注目される。
本日の欧州市場では、ドイツやユーロ圏の8月製造業PMI(速報値)の発表が予定されており、ユーロ圏経済の回復を示唆する結果となるのか注目されている。一方、米国市場では7月中古住宅販売件数の発表が予定されており、前月から増加が予想されているものの、7月に新型コロナウイルスの感染が再拡大したこともあり、影響が出ているかどうかが注目されている。
8/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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540万件 | 472万件 |
前回は、ほぼ市場予想の範囲内の結果となり、2010年10月以来の低水準となった5月の水準から改善した。経済活動の再開が広がったことや、過去最低水準の住宅ローン金利が押し上げ要因となった。今回は、さらに増加が予想されているものの、新型コロナウイルスの感染が再び拡大した影響が出ているのかどうかが注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、105.100のボトムから一旦反発しましたが、一目均衡表の転換線近辺で上値が抑えられて再び基準線を下抜ける動きとなっています。さらに、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、ここから軟調な動きを示唆する形状となっています。ここから一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されます。
下値のポイントは105.100となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられ、その場合の下値目標の計算値は104.271と計算できます。
上値のポイントは、基準線の105.858、次いで転換線の106.072となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられます。