前営業日トピックス
前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い展開で始まった。ドル/円は序盤に109.28まで上昇したものの、その後は上値の重い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まり、一時500円超の上昇となったものの、その後上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。下げ一服後は底固い動きとなり、さらに欧州主要株価指数が上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル/円が序盤に付けた108.82から109.08まで上昇し、底固い動きとなった。しかし、NY州知事が入院件数は鈍化しているが、1日の死者数は急増して過去最高を記録したと発表したことで楽観的な見方が後退、大幅上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じたことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米国債利回りの低下したことも加わり、ドル/円は終盤に108.72まで下落する動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が大幅上昇して始まり、一時前日比937ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じ、終盤にはマイナス圏まで下落となり26ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックも25ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤にドル/円が109.28まで上昇したものの、上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比500円超の上昇となったものの、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。仲値公示にかけて、実需のドル買い・円売りが観測され、ドル/円はやや値を戻す動きも見られた。
(2)仲値通過後は、日経平均株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続き、ドル/円は108.67まで下落した。一方、豪中銀の金融政策発表で政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.25%に据え置いた。これを受けて、豪ドルはドルや円などの主要通貨通貨に対して上昇となり、豪ドル/円は発表前の66.46から66.94まで上昇した。
(3)欧米で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが縮小するとの期待感などを背景に、欧州主要株価指数が軒並み上昇して始まり、上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な展開で始まり、ドル/円は序盤に108.82まで下落した。ただ、ニューヨーク州で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが縮小するとの期待感を背景に、米株価先物指数が上昇したことでドルも下支え要因となり、ドル/円は109.08まで上昇した。その後、NY州知事が入院件数は鈍化しているが、1日の死者数は急増して過去最高を記録したと発表したことで楽観的な見方が後退し、大幅上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(5)米財務省が中小企業向けの融資プログラムに2000億ドルの追加供給をする意向と報じられたことが好感され、主要株価指数が再び堅調な動きとなり、ドル円・クロス円も値を戻した。しかし、その後原油価格が急速に下げ幅を拡大したことから、エネルギーセクターを中心に株価が下落となり、米主要株価指数は終盤に軒並みマイナス圏まで下落すし、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.782%から0.709%まで低下したことも加わり、ドル/円は108.72まで下落した。
本日のトピックス
新型コロナウイルスの感染拡大のペースが縮小するとの期待感を背景に、欧米の主要株価指数が上昇するなど楽観的な見方が広がっていたが、昨晩NY州知事が1日の死者数が急属して過去最高となったと公表したことで楽観的な見方が後退し、再びリスク回避の動きとなった。世界的に新型コロナウイルスに対する不安が高く、報道などに一喜一憂する展開が続いていることから、それを踏まえた上でマーケットに臨みたい。
本日の欧米市場では、主要な経済指標の発表が予定されていないことから、昨日同様に新型コロナウイルス関連の報道を受けた株価の動きなどに左右される展開が考えられる。そのため、主要国の株価動向、また影響が大きくなる傾向のある新興国通貨の動きにも注意したい。