前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、日経平均株価が序盤から180円超の上昇となったことや、6営業日続伸中の上海総合指数が堅調な動きとなるなど、アジア株が全般的に堅調だったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。中でも、NZ中銀が政策金利の据え置きを発表し、年内の据え置きが示唆されたことが好感して、NYドルは主要通貨に対して上昇となった。
米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しており、楽観的な見方が広がったことでアジアや欧州の主要株価指数に続き米主要株価指数も序盤から堅調な動きとなり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は110.11まで上昇したものの、欧州時間に付けた110.13までは到達できなかった。ただ、終値ベースでは110円台を維持して終了した。一方、ユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、終盤に前日比292ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。引けにかけて高値圏を維持して275ドル高で終了、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、87ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の軟調な動きが一服し、序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まり、一時10日の終値と比べ182円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.590%から1.619%まで上昇したことも加わり、ドル/円は108.89まで上昇した。一方、ニュージーランド中銀が政策金利の据え置きを決定し、中銀の予想で年内の据え置きが示唆されたことが好感され、NZドルは堅調な動きとなった。NZドル/円は、発表前の70.36から71.16まで上昇した。
(2)新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が続く中、終息時期や経済的影響が不透明であることから積極的な買いも出にくく、やや上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間には欧州勢のドル買い・円売りも観測され、さらに米10年債利回りが1.633%まで上昇したこともあり、ドル/円は110.13まで上昇した。しかし、110円台では値頃感の売りも入り、再び109円台まで反落となった。一方、ユーロ圏の鉱工業生産が2016年2月以来の大きなマイナスとなり、ECBの金融緩和が当面維持されるとの見方が広がった。さらに、先のドイツの経済指標悪化やドイツの政局不安も燻っており、ユーロ圏の景気減速懸念が強まり、ユーロは主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がないものの、新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しており、封じ込められるとの楽観的な見方を背景に、リスク志向の動きが強まり、アジアや欧州の主要株価指数に続き米主要株価指数も序盤から堅調な動きとなり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(4)米10年債入札では、応札倍率が昨年3月以来の高水準となり、最高落札利回りが昨年10月以来の低水準となるなど、旺盛な需要だったことも加わり、ドル/円は110.11まで上昇した。ただ、欧州時間に付けた110.13までは到達できなかったものの、終値ベースでは1/20以来の110円台で終了した。一方、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続き、対ドルでは2017年5月以来、対ポンドで昨年12/17以来の安値となった。
本日のトピックス
東京市場では、中国湖北省で新型コロナウイルス感染症例が14840件増との報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落している。依然として終息の道筋が不透明であることから、報道などに左右される展開が続いている。引き続き、報道などを受けて思惑が交錯する展開が続く可能性が考えられる。
一方、ドイツの経済指標の悪化やメルケル独首相の後継者を巡る混乱を背景に、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いているが、昨日ユーロ圏の鉱工業生産が2016年2月以来の大きなマイナスとなったことで、ドイツやユーロ圏経済の失速、ECBの大規模金融緩和が当面継続されるとの見方も強まっている。その中で、本日は1月のドイツ消費者物価指数、明日14日には第4四半期のドイツと欧州のGDPの発表が予定されており、結果が注目されている。ここで冴えない結果が続くようなら、一段のユーロ下落となる可能性も考えられる。
ドルは対ユーロなどで堅調な動きとなっているものの、対円では110円台で上値の重い動きが続いていたが、昨晩のNY市場では1/20以来の110円台でクローズした。しかし、東京市場では再び109円台に下落している。本日は、1月の米消費者物価指数、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、指標結果が良好な結果なら再び110円台乗せの可能性も考えられるが、110円台を維持できるのかが注目される。
2/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.2% | 0.2% |
前回は市場予想を下回り、コア指数も3ヵ月ぶりの小幅な伸びとなった。エネルギーが上昇したものの、サービスや居住費の伸び幅が低下したことが影響した。一方、前年比ベースでも市場予想を下回ったが、2018年10月以来の高い伸びとなった。今回は、前月比で変わらずの伸び、コア指数や前年比ベースでは前回を上回る伸びが予想されている。特に、前年比ベースで予想通りとなれば2018年10月以来の高い伸びとなることから注目したい。 |