前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、上海総合指数が春節の休場明けの下落後6営業日続伸したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、欧州市場では、ドイツの政局不安などを背景に、ユーロが主要通貨に対して下落したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、米主要株価指数が上昇して始まり、主要3指数がいずれも取引時間中の最高値を更新したことからドル円・クロス円も底固い動きとなり、ドル/円は一時109.96まで上昇した。その後、パウエルFRB議長が議会証言で米経済は堅調、通商問題の不透明性が後退して世界経済が安定し始めたと指摘したものの、新型コロナウイルスによる中国の影響を受ける可能性に言及したこともあり、米主要株価が上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は109.73まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比138ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。しかし、その後は上げ幅を縮小し、0.48ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは10ポイント高で終了し、S&P500とともに終値ベースの最高値も更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場となり新規材料に乏しい中、新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースが和らいだことが好感され、株式市場では上海総合指数が6営業日続伸となったことや、香港ハンセン指数が反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)ドイツの政局不透明感が引き続きユーロの圧迫要因となり、ユーロは主要通貨に対して下落、対ドルで昨年10/1以来、対円で11/15以来の安値を付けた。しかし、ラガルドECB総裁が利下げ検討の可能性を示唆しなかったことが好感されてユーロは上昇に転じ、ユーロ/円は安値の119.59から120.03まで上昇した。NY市場では欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は109.75まで下落したものの、米主要株価指数が上昇して始まり、主要3指数がいずれも取引時間中の最高値を更新したこともあり、堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.569%から1.595%まで上昇したことも加わり、ドル/円は109.96まで上昇した。
(3)パウエルFRB議長は、議会証言で米経済は堅調で、通商問題の不透明性が後退し、世界経済が安定し始めたと指摘したものの、新型コロナウイルスによる中国の影響を受ける可能性に言及、米主要株価指数が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は109.73まで下落した。
本日のトピックス
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きも予想されている。また、昨日の下院に続きパウエルFRB議長の上院での議会証言が予定されているものの、内容はほぼ前日の証言と同じであることから、それほど材料視はされないと見られている。一方、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いており、特にドルや円に対しては連日年初来安値を更新している。ユーロ圏の主要国であるドイツの経済指標の悪化や政局不安が背景にあるが、政局や経済に関する報道、要人発言などには注意したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は一目均衡表の雲下限近辺で上値が抑えられて、軟調な動きとなりました。ただ、下値のポイントとなる119.779を一時下回ったものの、底固い動きとなっています。ここから堅調な動きとなるのか、再び軟調な動きとなるのか注目されています。
オシレーターのRSIでは指数と価格の逆行現象となっており、比較的信頼度の高い上昇シグナルとされる形状となっており、一旦の反発に対する期待感もあります。
目先の上値のポイントは(1)120.025 (2)120.368(転換線) (3)120.506(200日線)、下値のポイントは(1)119.779 (2)119.594 (3)119.249 と考えられます。