前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まったものの、その後は上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、中国が大豆など輸入関税一部免除との報道を受けて、上昇する場面もあったが、値動きは限定的だった。その後は、米雇用統計の発表を控えて小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計が良好な結果となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が、トランプ大統領は通商合意に署名する準備ができていないとの見解を示したことを受けて、ドル円・クロス円は引けにかけて軟調な動きが続いた。ドル/円は、雇用統計の結果を好感して上昇した分を帳消しにした。
米株式市場は、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比358ドル高まで上昇した。結局、高値圏を維持したまま337ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは85ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な展開で始まり、一時前日比112円台まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、週末の実需のフローも観測されたが、上値は限定的だった。
(2)仲値通過後は、株価が上げ幅を縮小したことや、米国債利回りの低下もあり、上値の重い動きが続いた。また、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まっていることも加わり、小動きの展開が続いた。その後、中国が米国産大豆などの輸入関税の一部免除との報道を受けて、ドル円・クロス円は上昇する場面もあったが、ドル/円は10銭程度の上昇に留まった。
(3)米雇用統計の発表を控えて様子見ムードもあり、小動きの展開となった。その中で、米国債利回りが低下したこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きが続いた。
(4)米雇用統計では、失業率や雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇となった。さらに、前回の雇用者数の伸びが上方修正されたこともドルの押し上げ要因となった。自動車大手GMのストライキの影響で、10月の雇用者数の伸びが大きく鈍化したが、ストが10月下旬に終結したことから、今回はその反動で押し上げられた。なお、スト期間中は給与の支払いがないことから、統計上は失業者として扱われる。
一方、カナダの雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想に反してマイナスとなったことが嫌気され、カナダドルは米ドルや円などの主要通貨に対して下落した。
(5)上昇一服後は、やや上値の重い動きとなる中、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が、米中の第1段階の通商合意は近いとしたことからドル買いに反応したものの、トランプ大統領は通商合意に署名する準備ができていないとの見解を示したことが嫌気され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、米雇用統計の結果を受けて108.92まで上昇していたものの、終盤には108.50台まで下落し、雇用統計発表前の水準まで戻して引けた。
本日のトピックス
今週序盤の米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、12/11にFOMCの結果発表や12/13に小売売上高など注目の経済指標の発表が予定されているほか、12/15には米中それぞれの追加関税の発動を控えている。12/15までに第1段階の合意ができるのかどうかも注目されており、結果により大きく動きが出る可能性が考えられる。
一方、米国以外では、週前半にドイツの主要な経済指標の発表、12/12にECB理事会、ECBの新総裁の就任後初めての会見も予定されている。さらに、英国の総選挙が12/12に予定されており、これらの結果でも動きが出る可能性があり、マーケットから目が離せない週となる可能性も。
本日の米国市場では、経済指標の発表もなく、明日から始まるFOMCの結果発表などのイベントを控えて様子見の展開が続く可能性も考えられる。その中で、期限が迫る米中通商協議関連の報道や要人発言にはより敏感に反応する可能性も考えられることから注意も必要だろう。