前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったこともあり、序盤のドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、香港株が下落したことに連れて日経平均株価も下落に転じると、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、米国市場の休場明けであり、週末であることから取引量も少なく、狭いレンジ内の動きにとどまった。
海外時間に入り、米国債利回りの上昇などもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時5/30以来の高値まで上昇したものの、香港問題を巡る米中対立への警戒感から、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。さらに、米主要株価指数が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は終盤にかけて上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時28日の終値と比べ121ドル安まで下落した。その後やや値を戻したものの112ドル安で終了し、5営業日ぶりに下落した。一方、ナスダックは39ポイント安で終了し、S&P500とともに4営業日ぶりの下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、日経平均株価が堅調な展開で始まったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は109.60まで上昇し、11/27に付けた5/31以来の高値に迫った。しかし、香港ハンセン指数が大きく下落して始まったことを受けて、89円高まで上昇していた日経平均株価が135円安まで下落し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。更に、米10年債利回りが1.780%から1.762%まで低下したことも影響した。
(2)午後に入ると株価の動きも落ち着き、小動きの展開となった。さらに、米国の感謝祭明けで市場参加者も少ないことも影響した。
(3)欧州勢の円売りが先行したことや、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。米国では、米感謝祭翌日で米主要市場が短縮取引だったことから市場参加者も少ないものの、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時109.67まで上昇し、5/30以来の高値となった。
(4)ロンドンフィキシングに向けて欧州通貨が対ドルで上昇したことから、ユーロやポンドが対円でも上昇、一方ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は香港問題を巡る米中対立への警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となった。さらに、最高値更新が続いていた米主要株価指数が軒並み下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は終盤にかけて上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米国の感謝祭明けとなり、今週は週末に米雇用統計を控えるなど、週明けから主要な米経済指標の発表が多い。さらに、オーストラリアやカナダの金融政策発表も予定されており、結果次第では動きの出る週となる可能性もあるだろう。
本日は、欧州市場ではドイツやユーロ圏の製造業PMI(改定値)の発表が予定されており、結果が注目されている。一方、米国市場ではISM製造業景況指数の発表が予定されており、ここまで米中通商問題の影響を受けて3ヵ月連続で景気判断の基準となる50を下回っており、今回も50を下回ると予想されている。また、雇用指数も3ヵ月連続で50を下回っており、前回の雇用統計では製造業部門の雇用者数の伸びがマイナスとなったことから、今回の雇用指数の結果にも注目したい。
12/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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49.5 | 48.3 |
前回は市場予想を下回ったものの、2009年6月以来の低水準となった9月の結果から上昇した。ただ、3ヵ月連続の景気判断の基準となる50を下回った。今回は、前月からの上昇が予想されているものの、依然として50を下回ると予想されており、予想通りなら懸念が高まる可能性も考えられる。 |