前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。米中の対立激化に対する懸念が高まったことで、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなるなど、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は一段の下落となった。その後、中国の副首相が米中通商協議の第1段階の合意に楽観的な見方示したとの報道を受けて、底固い動きとなった。
米国市場では、米経済指標が強弱まちまちの結果となる中で、米中通商問題や香港問題を巡り、米中対立リスクも意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米主要株価指数が軟調な動きとなったことも圧迫要因となった。ドル/円は、序盤に108.70まで上昇したが、その後は上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、序盤に前日比112ドル安まで下落した。その後、一時プラス圏まで値を戻す場面もあったが、終盤にかけて再び下落に転じて54ドル安で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは20ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中通商協議の第1段階の合意が来年にずれ込む可能性があるとの報道を受けて、下落した海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米下院が香港人権法案を可決したことや、トランプ米大統領は香港人権法案に署名の見通しと関係者が明らかにしたことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が軟調な動きとなり、一時前日比420円超の下落となったこともあり、ドル/円は108.28まで下落した。
(2)中国の劉副首相が米中通商協議の第1段階の合意に慎重ながらも楽観的と発言したことを受けて、ドル円・クロス円は上昇に転じた。さらに、日経平均株価が下げ幅を大きく縮小したことも加わり、ドル/円は108.67まで上昇した。
(3)英総選挙に関連する世論調査で保守党優勢との報道を受けてポンドが対円などで上昇となり、ドル/円やユーロ/円も連れ高となった。ドル/円は一時108.70まで上昇した。
(4)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想より悪化したものの、10月の米中古住宅販売件数が2ヵ月ぶりのプラスとなるなど、米経済指標が強弱まちまちの結果となったこともあり、上値の重い動きとなった。さらに、米中通商問題や香港問題を背景とした米中対立リスクも意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、米主要株価指数が軟調な動きとなったことも圧迫要因となった。一方、英最大野党・労働党が総選挙向けのマニュフェストを公表し、富裕層や金融業などへの増税の一方、90%超の国民が恩恵を受けるばらまき型の内容が選挙戦に及ぼす影響が懸念されポンドがドルや円に対して下落した。
本日のトピックス
昨日のアジア市場では、比較的値幅のある動きが見られたものの、米国市場では米中通商問題に関連する報道や要人発言がなかったこともあり、やや静かな動きとなった。やはりマーケットの注目が米中通商問題に向いていることが伺える。このことから、通商問題に関連する報道や要人発言には引き続き注目だが、特に週末であることから、マーケット終了後の発言や報道となる場合には、週明けの動きに影響する可能性もあることから十分に注意したい。
本日、欧州時間ではドイツやユーロ圏の製造業PMIの発表が予定されており、マーケットの注目が高い指標であることから注目したい。一方、米国時間では11月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、前回は現在の景況感が低下したものの、先行き景況感が上昇したことから、景気見通しへの楽観が示唆されたとの見方もあった。ただ、今回は米中通商問題に関する懸念が指数に反映されるとの懸念もあり、結果が注目されている。
11/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.7 | 95.7 |
前回は小幅上昇となり、7月以来の高水準となった。先行き景況感が上昇したものの、現在の景況感が低下しており、景気見通しへの楽観を強めており、景気拡大の兆しが示される結果となった。今回の確報値は、速報値から横ばいが予想されており、堅調さが維持されるのか注目されている。 |