前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、午後に入って日経平均株価が上げ幅を縮小したことや上海総合指数が下げ幅を拡大したことなどもあり、上値の重い動きとなった。その後、ドル円・クロス円は値を戻す動きが見られたものの、上値は限定的だった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その中で、クラリダFRB副議長の「成長持続に向け適切に行動する」との発言など複数の当局者の発言を受けて、米国債利回りが低下し、米利下げ観測が意識されたことからドルは軟調な動きとった。一方、EUと合意した英国のEU離脱協定案の英議会での採決を控えて様子見ムードが強まる中、僅差で可決される可能性があるとの予想が報道されたこともあり、合意なき離脱が回避されるとの期待感からポンド買いとなり、ポンド/円は140.63まで上昇する場面もあった。
ダウ平均株価は、終盤まで軟調な動きが続き、特に医薬品大手や航空機大手が大きく下落したことが圧迫要因となり、前日比255ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは67ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が一時前日比197円高まで上昇したことを受けて、ドル/円は108.68まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、英国とEUの離脱合意案が10/19に英国議会で採決が先送りされたことから積極的に動き難く、全般的に様子見ムードから限定的な動きが続いた。一方、7-9月期の中国GDPは前年比で予想を下回った他、9月中国鉱工業生産は予想を上回ったものの、反応は限定的だった。
(3)時間外取引で下落していた米株価先物が安値から反発したことや、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル円・クロス円は小動きながら堅調な動きとなる場面もあった。ただ、上値は限定的だった。
(4)米国市場でもドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その中で、ダラス連銀総裁が「貿易摩擦などで世界経済は減速している」とし、ミネアポリス連銀総裁が「景気減速リスクがあるうちは、金融政策は緩和的であるべき」、さらにクラリダFRB副議長の「成長持続に向け適切に行動する」との発言など、複数の当局者の発言を受けて、米10年債利回りが1.7746%から1.7257%まで低下するなど、米利下げ観測が意識されたことからドルは軟調な動きとなり、ドル/円は小幅ながら108.39まで下落した。一方、EUと合意した英国のEU離脱協定案の英議会での採決を控えて様子見ムードが強まる中、僅差で可決される可能性があるとの予想が報道されたこともあり、合意なき離脱が回避されるとの期待感からポンドが買われ、対円で一時140.63まで上昇する場面もあった。
本日のトピックス
英下院は、10/19に英首相がEUと合意した新たな離脱案の採決を実施し、関連法案が成立するまで先送りすることを、賛成322票、反対306票で決定した。これを受けて、本日のポンド/円は前週末のNY市場の終値の140.41から139.49まで下落、またドル/円は108.42から108.29まで、ユーロ/円は121.04から120.79までそれぞれ下落している。
法律に従えば、ジョンソン英首相は10/31までにEU離脱期限の延期をEU側に要請しなければならないが、ジョンソン英首相はそれを拒否しており、10/22に英議会で採決するとしている。このことから、引き続き報道や要人発言には注意が必要だろう。
週明けでやや新規材料に乏しい中、10/22の日本市場が祝日で休場となることや、米国市場では主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されている。ただ、依然として英国のEU離脱問題に対する思惑が交錯していることから、ポンド中心の動きが続く可能性も考えられる。