前営業日トピックス
朝方、ドル/円は106.47まで上昇したものの、米大統領が米国は中国の通信機器大手ファーウェイとビジネスを行うことは望んでいないと表明したとの報道を受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、日本や中国などアジア株が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、米10年債利回りの上昇に合わせ、ドル/円も106.69まで上昇した。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル/円は序盤からやや軟調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がない中、欧州時間に上昇していた米10年債利回りの上昇が一服したことを受けて、ドル/円は一時106.46まで下落した。その後は、米国が中国のファーウェイに対する制裁措置の一部猶予の期間をさらに90日間延長すると決めたことなどが好感され、投資家のリスク回避の動きが和らいだ。さらに、米主要株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比336ドル高まで上昇した。その後はやや上げ幅を縮小したものの、249ドル高で終了し、3営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは106ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は一時106.47まで上昇したものの、トランプ米大統領が中国通信機器最大手のファーウェイと米企業との取引を事実上禁じている措置を継続する方針を改めて表明したとの報道を受けて、ドル/円は軟調な動きとなった。その後、仲値公示にかけてはドル買いとなる場面もあったが、政治的混乱が続くアルゼンチンの財務相が辞任したことや、先週末に格付け機関のフィッチがアルゼンチンの格付けを「シングルB」から「CCC」に引き下げたことから、リスク回避の動きが意識され、ドル円は106.25まで下落した。
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(2)日経平均株価が底固い動きとなったことや、上海株など中国株がジリ高となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、米10年債利回りが持ち直したこともドルの下支え要因となった。ただ、8/23にはジャクソンホール会合があり、パウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとの思惑もあるため、値動きは限定的だった。その後、米10年債利回りが1.5673%から1.6199%まで上昇すると、ドル/円も106.66まで上昇した。
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(3)米10年債利回りは、一服後に3日ぶりの高水準となる1.6233まで上昇したことに合わせ、ドル/円は106.69まで上昇した。しかし、その後は米長期金利の上昇一服を背景にドル/円も106.46まで下落した。一方、トルコ中銀が支払準備率を変更したことを受けて、トルコ・リラ売りが強まり、対ドルで7/29以来、対円で1週間ぶりの安値を付ける場面もあった。
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(4)米国が中国のファーウェイに対する制裁措置の一部猶予の期間をさらに90日間延長することを決めたことが好感され、投資家のリスク回避の動きが和らいだ。さらに、トランプ米大統領が政策金利を少なくとも1.0%引き下げるべきと発言したことや、ボストン連銀総裁が、追加利下げに難色を示したことが米主要株価指数を下支え、ドル/円は終盤に106.67まで上昇した。
本日のトピックス
欧州では、イタリアの政治的懸念や、ユーロ圏の冴えない経済指標結果、さらに先週末に過去最低となったドイツ10年債利回りの動きに注目が集まっている。ユーロは、円やドルに対してやや下げ一服となっているが、引き続き上値の重い動きが続く可能性が考えられる。その中で、本日はドイツの経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。
一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、マーケットでは8/23のジャクソンホールでの経済シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演内容に注目が集まっている。内容を見極めたいとの思惑も強まっていることから、限定的な動きが予想される。その中で、株式市場や米国債利回りの動きに反応する可能性もあり、また要人発言にも注意したい。