前営業日トピックス
7/18の海外市場では、米当局者の発言を受けて、FRBが今月末に大幅な利下げ決定に踏み切るとの観測が高まった。しかし、東京市場では、その当局者が発言の内容を受けた思惑を否定するコメントが発表したことで、ドル買い戻しの動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比400円以上の上昇となったともドル円・クロス円の下支え要因となった。
米国市場では、トランプ米大統領が前日の中国側との電話協議は非常に良好だと述べたことから、米中通商協議の進展期待を背景に、ドルは堅調な動きとなった。その後、セントルイス連銀総裁が今月末のFOMCで0.25%の利下げを予想するとしたことから、FRBの大幅利下げ期待が後退、米国債利回りが上昇したことからドル買いとなり、ドル/円は一時107.97まで上昇した。しかし、イランの革命防衛隊がホルムズ海峡で英国の石油タンカーを拿捕したとの報道を受けて、リスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)NY連銀総裁が、米国時間に「予防的アプローチをとる方がよい」と発言したことから、7月のFOMCでの0.50%の利下げ観測が高まり、ドル下落につながった。しかし、次回のFOMCにおける政策行動に関するものでなく、調査に基づく学術的発言とのコメント発表を受けて、ドル買戻しの動きが優勢となった。ドル/円は、序盤に107.22から107.60まで上昇した。
(2)上昇一服後はやや上値の重い動きも見られたが、日経平均株価が前日比400円以上の上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、午前中に低下していた米国債利回りが午後に入り上昇したこともドルの下支え要因となった。
(3)セントルイス連銀総裁が、次回のFOMCで大きな利下げはないと思うと発言したことや、トランプ米大統領が前日の中国側との電話協議は非常に良好だと述べたこともあり、ドルは底固い動きが続いた。さらにセントルイス連銀総裁が今月末のFOMCで0.25%の利下げ実施を予想するとしたことから、FRBの大幅利下げ期待が後退、米10年債利回りが2.0361%から2.0621%まで上昇したことからドル買いが優勢となり、ドル/円は一時107.97まで上昇した。
(4)イランの革命防衛隊がホルムズ海峡で英国の石油タンカーを拿捕したとの報道を受けて、地政学リスクが意識されて株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京や欧州、米国市場で、主要な経済指標の発表は予定されていない。先週は、米当局者の発言を受けて米国債利回りや株価、ドル相場などに動きが出る場面が多々あったが、来週のFOMCを控えてブラックアウト期間で米当局者の発言がないことから、限定的な動きが予想される。現状では、来週のFOMCでの利下げは確実視されているが、利下げ幅は確定的でなく、思惑が交錯している。そのため、米国債利回りや株式市場に思惑がらみの動きが出るようなら、その動きに左右される可能性が考えられる。