前営業日トピックス
東京市場は、序盤から小動きの展開となったものの、下落して始まった日経平均株価がプラス圏に反発したことに加え、実需のドル買い観測もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米国とイランの緊張に加え、注目されるFOMCを控えていることもあり、やや限定的な動きが続いた。その後、習近平中国国家主席が訪朝して、金正恩朝鮮労働党委員長と会談するとの報道を受けて、ドル円・クロス円は上昇する場面もあった。
米国市場では、序盤に発表されたNY連銀製造業景況指数が市場予想に反して大幅低下となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。しかし、FRBが早期に利下げに踏み切るとの期待感から米主要株価指数が比較的堅調な動きとなったことも影響し、ドルの下値は限定的だった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで反発したことや、週明けで国内の輸入企業のドル買い観測から、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが2.0873%から2.1116%まで上昇したことも影響し、ドル/円は108.71まで上昇した。
(2)上昇一服後は、米中通商問題や、米国のイランとの緊張など先行きの情勢に対する不透明感が燻っていることから、やや限定的な動きとなった。一方、マーケットでは6/18-19のFOMCに注目が集まっており、様子見ムードから積極的な売買が手控えられていることも影響した。
(3)新規材料に乏しい中、中国の習近平国家主席が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長からの招待で6/20-21に北朝鮮を訪問するとの報道を受けて、緊張緩和が意識され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は108.72まで上昇した。
(4)ニューヨーク連銀製造業景況指数が過去最大の落ち込みとなり、2016年10月以来のマイナスとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。米国の通商問題に対する不安の高まりなどが影響したと指摘されている。
(5)FOMCを控えて積極的な売買が手控えられていたことや、FRBが早期に利下げに踏み切るとの期待感から米主要株価指数が比較的堅調な動きとなったことも影響し、ドルの下値は限定的だった。一方、次期首相を選ぶ英国の与党保守党の党首選は、6/18に2回目の投票が行われるが、1回目の投票でトップとなったEU離脱推進派のジョンソン前外相が次期首相になる可能性が高まっているとの見方を背景に、ポンドは主要通貨に対して売られた。ポンドは、対ドルで1/3以来、対円で1/4以来の安値を付けた。
本日のトピックス
本日、英国で次期首相を選ぶ与党保守党の党首選の2回目の投票が行われる。1回目の投票では、ジョンソン前外相が圧勝(114票、2位のハント外相は43票、3位のコーブ環境相は37票)となった。第2回の投票では、得票数が32票以下、全員がクリアした場合は最も得票数が少ない候補が落とされることになっている。投票の結果は、日本時間6/19午前2時頃と見られており、昨日は投票を控えた思惑でポンドが動いていることから、一応注意しておきたい。
米国市場では、住宅着工件数の発表が予定されており、結果が注目されている。2月の大幅低下からここまで改善が続いており、引き続き堅調な結果が続くのかどうかが注目されている。特に、昨日発表された米経済指標が大きく悪化となり、一部では米国の通商問題の影響との指摘もあるだけに、本日発表の指標にも影響が出ているのか注目される。
6/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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123.5万件 | 123.5万件 |
前回は、市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となった。一戸建て住宅、集合住宅がともに前月から増加したことが影響した。今回は、前月から横ばいが予想されているが、第1四半期の平均が120.3万件であり、昨年1年間の平均が124.8万件あることから、予想通りなら第2四半期に入り、改善傾向が示されるようなら、今後の期待感につながる可能性もあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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129.0万件 | 129.6万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となった。昨年末から年明けと比べると、やや冴えない結果が続いており、伸び幅が限定的となっている。集合住宅は、3ヵ月連続の低下から増加となったが、一戸建て住宅は3ヵ月連続の低下となっており、今後の着工件数への影響も懸念される。今回は、前回から若干の低下が見込まれており、主力の一戸建て住宅が改善するのか注目したい。 |