前営業日トピックス
東京市場では、ホルムズ海峡付近で石油タンカーが攻撃されたことに関して、米国がイランの責任に言及したことから、米国とイランの緊張が高まるとの懸念が引き続き相場を圧迫した。その後、下落して始まった日経平均株価が堅調な動きとなったものの、反応は限定的となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された5月の小売売上高、鉱工業生産が良好な結果となったことを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ただ、その後に発表された6月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことで、上値の重い動きも見られた。しかし、ハセット米大統領経済諮問委員会委員長が、米国経済が3%成長するとの見通しを維持していると発言したことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の軟調な動きを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなり、下落した日経平均株価が上昇に転じ、小幅ながら堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)ホルムズ海峡付近で、石油タンカーが攻撃されたことに関して、米とイランの緊張が高まるとの懸念が根強く、情勢を見極めたいとの思惑もあり、上値の重い動きが続いた。さらに、中国の鉱工業生産が冴えない結果となったことや、米10年債利回りが2.0910%から2.0735%まで低下したことも圧迫要因となった。
(3)米国市場では、5月の小売売上高が3ヵ月連続のプラスとなり、前月結果がマイナスからプラスに上方修正されたことや、5月の鉱工業生産が昨年11月以来の高水準となったことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。
(4)米主要株価指数が軒並み下落して始まったことに加え、6月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回る結果となったことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなる場面もあった。しかし、ハセット米大統領経済諮問委員会委員長が、米国経済が3%成長するとの見通しを維持していると発言したことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。一方、ユーロは、対ドルで下落が続き、6/3以来の安値となり、対円でも1週間ぶりの安値となった。
本日のトピックス
今週は、6/18-19にFOMC、6/19-20に日銀金融政策決定会合、英中銀の金融政策会合の発表が予定されており、中でもFOMCが最大の焦点とされている。主要国の金融政策発表を控えていることから、様子見ムードが強まる可能性もあり、積極的な売買が手控えられることも考えられる。しかし、ホルムズ海峡付近での船舶攻撃に関して、米国のイランとの間の緊張が高まるようなら、リスク回避の動きが強まる可能性もあるだろう。また、その場合には原油などの資源価格、資源国通貨にも影響する可能性もあることから、動向には注意したい。また、先週末の米経済指標の改善が好感されたが、本日の米製造業、住宅関連の経済指標の結果にも注目したい。
6/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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12.0 | 17.8 |
前回は、市場予想を上回り、2018年11月以来の高水準となった。新規受注、出荷が2ヵ月連続で上昇したことが影響したが、雇用は大きく低下した。今回は、前回からの低下が予想されているが、昨年の平均が19.8、今年1-3月の平均が5.5と悪化したことが影響し、今年の平均が8.9であることから、改善が見られるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
6月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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67 | 66 |
前回は、市場予想を上回り、2018年10月以来の高水準となった。現状の一戸建て販売が5ヵ月連続で上昇したことが影響した。今回は、前回から若干の上昇が予想されており、好調が続く現状の一戸建て住宅や、2ヵ月連続上昇の購買見込客指数が引き続き伸びるのか注目したい。 |