前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の軟調な流れが一服し、序盤から堅調な動きとなった。そして、トランプ米大統領が、日本との貿易交渉について7月の日本の選挙の後まで先送りするとしたことが好感された。仲値公示後、ドル/円はやや上値の重い動きとなったが、欧州議会選挙で懸念されたほどポピュリズム政党の躍進がなかったことから、ユーロを買い戻す動きも見られた。
米国市場は、Memorial Day(メモリアルデー)で主要市場が休場となり薄商いの中、ドル/円は狭いレンジ内の動きとなった。一方、イタリアの予算案がEU財政規律違反となり、罰金が科せられる可能性があるとの報道を受けて、ユーロ売りとなる場面もあったが、下げ幅は限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領が、日米通商交渉の合意を夏に実施予定の参院選後まで先送りする意向を示したことで警戒感がやや薄れ、ドル買い・円売りが先行した。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、仲値公示にかけて実需によるドル買いフローが観測されたことも影響した。一方、欧州議会選挙で懸念された極右政党の台頭が警戒されたほどではなかったことから、ユーロの買い戻しも見られた。
(2)日経平均株価が落ち着いた動きとなったことや、英国や米国市場が休場となることから、積極的な売買が手控えられたこともあり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。そして、日米首脳会談後の共同記者会見を受けて、ドル/円は小幅ながら上昇したが、その後西村官房副長官が日米通商交渉は8月合意で一致していないと発言したことを受けて、ドル円・クロス円は下落した。
(3)英国市場がスプリングバンクホリデー、米国市場がメモリアルデーで主要市場が休場となり、薄商いの中ドル円・クロス円は積極的な売買が手控えられ、狭いレンジ内の動きとなった。ドル/円は109.45から109.56での狭いレンジ内の動きとなった。
本日のトピックス
米国市場が休場だったことから新規材料に乏しい中、アジア市場では日経平均や中国株などの主要株価指数の動きが注目される。また、最近の米経済指標の下振れを背景に、利下げ観測が強まっており、ドルの上値を圧迫する要因となっている。特に、米国市場は休場明けだが、消費者信頼感指数や住宅関連の経済指標の発表が予定されており、引き続き冴えない結果となるようなら、ドルを圧迫するだろう。また、米2年債、5年債の入札も予定されているが、前回の入札では比較的動きが見られたことから、結果発表時のドルの動きには一応注意したい。
5/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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130.0 | 129.2 |
前回は、市場予想を上回る結果となった。現況指数が、3月に付けた2018年6月以来の低水準から大きく改善したことや、期待指数も上昇したことが影響した。今回は、上昇が予想されているが、5月に入り、米ダウ平均株価が前半に860ドル以上下落するなど、主要株価指数が低下していることが現況指数に影響しているのかが注目される。 |