前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な動きが一服し、やや上値の重い動きとなった。日経平均株価が序盤から底固い動きとなったものの、仲値公示近辺では実需のドル売り・円買いも観測され、やや上値の重い動きとなった。日銀の金融政策決定会合では、政策が据え置かれ、フォワードガイダンスは具体化されたものの、マーケットの反応は限定的だった。
米国市場では、序盤に発表された3月の米耐久財受注が市場予想を上回る結果となったが、米失業保険申請件数が悪化したことが嫌気され、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米化学・事務用品大手の3Mの決算が冴えない結果となったことを受けて、ダウ平均株価が280ドル以上の下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、ダウ平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが2.514%から2.539%まで上昇したこともあり、ドルは底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場で昨年12/20以来の高値を更新したが、その後は上値の重い動きが続いており、東京市場では序盤から底固い動きとなった。小安く始まった日経平均株価が堅調な動きとなったことや、本邦輸入企業のドル買い・円売り観測もあり、ドル/円は再び112.20を上回る動きとなった。
(2)仲値公示近辺では、輸出企業などの売りに押されたことや、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、日銀の金融政策決定会合で、フォワードガイダンスが「当分の間」から「当分の間、少なくとも2020年春頃まで」と具体化されたものの、マーケットの反応は限定的だった。一方、スウェーデン中銀は、市場の予想通り政策金利の据え置きを決定したが、低インフレのため利上げの予想時期が後退すると表明したことを受けて、スウェーデン・クローナは主要通貨に対して下落となり、対米ドルでは2002年8月以来の安値に下落した。
(3)ユーロやポンドがやや軟調な動きとなったものの、ドルは対円で底固い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された3月の米耐久財受注が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは底固い動きとなった。しかし、コア出荷が昨年9月以来、GDPの算出に用いられるコア資本財出荷が昨年11月以来のマイナスとなったことに加え、米週間失業保険申請件数が23万件となり、2月以来の高水準となったことから、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米化学・事務用品大手の決算が冴えない結果となったことで、ダウ平均株価が280ドル以上の下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)下げ一巡後は、ダウ平均株価が下げ幅を縮小したことや、ドルがポンドやユーロに対して上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
本日から2日間の日程で日米首脳会談が予定されている。日米通商協議なども実施されており、難航が予想されている自動車関税、為替条項の即時合意は考え難いことから、担当閣僚同士の協議継続が確認される程度だろう。むしろ、日米の関係強化を確認することがメインテーマとも考えられることから、マーケットの反応は限定的となるだろう。一方、日本の大型連休入りを控えたポジション調整の動きが強まる可能性も考えられる。
米国市場では、第1四半期GDP、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されている。GDPは前期からの横ばいが予想されており、個人消費の低下が見込まれていることから、結果が注目される。
4/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
1Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.2% | 2.2% |
前回の10-12月期は、市場予想を下回り、7-9月期の3.4%から低下した。個人消費や政府支出の引き下げが影響した。今回の第1四半期速報値は、前期から横ばいが予想されているが、GDPの7割を占める個人消費が大幅な低下が予想されていることから、GDPの低下を見込む向きもある。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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97.0 | 96.9 |
前回の速報値は、市場予想を下回り、前月の確報値から1.5ポイント低下となった。現況指数が上昇したものの、期待指数が低下したことが影響した。今回の確報値は、速報値から若干の上昇が予想されているものの、株価は3月よりも上昇していることから、現況指数の改善は見込まれているが、先行景況感を表す期待指数が改善するのか注目したい。 |
気まぐれ投資コラム
大型連休中のフラッシュクラッシュに要警戒
【その1 大型連休中のフラッシュクラッシュに要警戒】
日本の大型連休(4/29から5/6まで市場)を迎えるにあたり、外国為替市場では「フラッシュクラッシュ(相場の瞬間的な急落)」が起きるのではないかとの警戒感が高まっています。今年の1/3には、短時間でドル/円が108円台後半から104円台まで下落するなど、安全資産とされる円が買われる動きが優勢となり、ドル円・クロス円は急速に下落しました。
そして、市場参加者が少なく流動性が低下する場面で起きやすいことから、今回の大型連休中に起きる可能性を指摘する向きもあり、マーケットでは5/1が]デーだと警戒感を高めています。日本は大型連休のちょうど真ん中であり、新元号が施行される予定ですが、海外市場ではドイツやフランスなどの欧州の多くの国や、ブラジル、南ア、中国、シンガポールなど、広い地域の市場がメーデーのため休場となっており、世界的に流動性が低下することが予想されています。
連休に向けてリスクを回避するために徐々にポジションの整理に動く投資家も多くなる可能性があり、本日からの動きにも注意したいところです。また、過去にも南ア・ランドやトルコ・リラなどの新興国通貨の下落が発端となり、リスク回避の動きが加速するケースもあったことから、新興国通貨の動きにも目が離せません。
【その2 ロシア中銀の政策金利は据え置きがコンセンサス】
4/26日本時間19時30分に、ロシア中銀の金融政策決定会合が予定されています。昨年12月に現行の7.75%に引き上げてから2会合連続で据え置きが決定されており、今回も政策金利を7.75%に据え置くと見られています。前回の声明では、「基本シナリオ通りに状況が展開すれば、2019年中に政策金利引き下げに転じる可能性があるとみている」とした上で、「ルーブル高と消費者需要の弱さでインフレ圧力が弱まったため、年内に緩和サイクルに戻る可能性がある」とした。また、年末のインフレ率の予想は4.7%-5.2%(従来予想の5.0%-5.5%)に引き下げています。マーケットでは、近く利下げが行われる可能性が高まっているとの見方もありますが、一部では年内は据え置きが続くと予想する向きもあります。エコノミスト予想では、今回7.75%に据え置くとの予想が100%となっています。
※出所:FX総合分析チャート 日足
※出所:データを基にSBILMが作成