前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことなどが影響し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。午後に入ると、日経平均株価が若干下げ幅を縮小したことや、軟調な動きが続いた上海株がプラス圏まで上昇する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米耐久財受注が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは底固い動きとなった。しかし、同時に発表された生産者物価指数が予想を下回る結果となったこともあり、ドルの上値は限定的となった。そして、トランプ米大統領が、米中貿易協議に関し「合意を急いでいない」と発言したことを受けて、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。一方、英議会が「合意なきEU離脱」を否決したことで、離脱延期への期待感が高まり、ポンドは主要通貨に対して上昇となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)英国のEU離脱修正案が英議会で否決されたことで、合意なき離脱の採決を控えて様子見ムードも強く、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。ただ、日経平均株価が一時300円以上の下落となったことや、アジア株が軒並み下落となったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)海外市場で低下した米10年債利回りがやや上昇したことや、前日比1%以上下落していた上海株が一時プラス圏に反発したことなどを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米生産者物価指数が市場予想を下回る一方、耐久財受注が予想に反して上昇となり、3ヵ月連続のプラスとなったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。
(4)米主要株価指数が堅調な動きとなったものの、米国債利回りが2.626%から2.603%まで低下したことなどが影響し、ドルは上値の重い動きが続いた。そして、トランプ米大統領が、エチオピアの機墜落事故を受けて同型の旅客機の運航の停止命令を発令したことから、製造元のボーイングの株価が下落したことや、米中貿易協議に関して「合意を急いでいない」と発言したことを受けて、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。一方、英議会が「合意なきEU離脱」を否決したことで、離脱延期への期待感が高まったことから、ポンドは主要通貨に対して上昇した。
本日のトピックス
英議会が合意なきEU離脱を拒否する案を可決したことを受けて、ポンドはドルや円に対して年初来の高値を更新する動きとなった。本日は、EU離脱期限の延期に関する採決が実施される予定であり、引き続き注目されている。ただ、5/23までの離脱期限の延長は、昨日議会で否決しており、本日は6/30までの離脱延期を採決することになっている。5/23までの離脱期限を否決したことから、6/30までの離脱期限の延長が可決される可能性が高いとみられる。ただ、EU側が求めているのは、5/23〜5/26までの欧州議会選挙の前までに結論を出すことだが、これが否決されていることから、EU側との交渉に対する懸念も出ている。本日、ヘッドラインで動きが出る可能性もあるが、思惑が交錯する可能性もあり、また要人などの発言にも注意をしておきたい。
3/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.3% | -0.5% |
前回は、市場予想を下回ったものの、前月から低下幅は縮小した。ただ、3ヵ月連続のマイナスとなった。今回は、プラスの伸びが予想されており、ここまでのマイナスはエネルギー価格の低下などが影響したが、2月は前月から原油価格の上昇が続いたことから、物価上昇に寄与する可能性が考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
1月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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62.2万件 | 62.1万件 |
前回は、市場予想を上回り、6ヵ月ぶりの高水準に改善した。今回は、若干の増加が予想されているが、住宅市場の改善が続くのか注目されており、特に、前回減少した中西部が改善するのか注目したい。 |