前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の株価下落を受けて、日経平均株価が軟調な展開で始まり、ドル円・クロス円もやや上値の重い動きとなった。しかし、五・十日で実需のドル買い・円売り観測から、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、上海株が底固い動きが続いたものの、米ダウ先物が下落したことから上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤の米当局者の発言が影響してドルは上値の重い動きとなったが、米経済指標が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時112.14まで上昇し、年初来高値を更新した。その後は、米株価が上値の重い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、週末にかけてECB理事会、米雇用統計が控えていることも意識され、やや限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったものの、五・十日で実需のドル買い・円売りが観測されたことから、仲値公示近辺でドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
(2)中国サービス業PMIが4ヵ月ぶりの低水準となったことを受けて、ドル円・クロス円は反落となった。一方、豪中銀の金融政策発表では、主要政策金利が予想通り据え置きとなった。低金利が経済を支援、主な不透明要因は家計支出の見通しと住宅価格下落の影響としたなどの声明が発表されたものの、豪ドルの反応は限定的だった。欧州主要株価が堅調な動きとなったこともあり、底固い動きとなった。
(3)ボストン連銀総裁が、あと数会合は金利を据え置く可能性があると示唆したことから、ドルはやや上値の重い動きとなった。その後、米新築住宅販売件数が7ヵ月ぶりの高水準となったことや、ISM非製造業景況指数が3ヵ月ぶりに上昇するなど、いずれも市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、112.14まで上昇し、年初来の高値を更新した。
(4)112円台では、オプションがらみのドル売りオーダーがあるとの見方が根強いことなどもあり、やや高値警戒する動きも見られた。さらに、米主要株価指数が上値の重い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、カーニー英中銀総裁が、市場の利上げ予想が低すぎるとの見解を示したことを受けて、金利先高感が意識され、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
週末にかけてECB理事会、米雇用統計を控えていることもあり、海外市場の終盤からやや限定的な動きとなっている。東京市場では、経済指標の発表などもなく、新規材料にやや乏しい中、小動きの展開が続く可能性が考えられる。ただ、日経平均や上海株に動きが出るようなら、影響を受ける可能性もあるだろう。
米国市場では、ADP雇用統計、貿易収支の発表が予定されており、結果が注目される。ADP雇用統計は、週末の米雇用統計を控えており、前回同様に民間の雇用が堅調であることが示されるのか注目される。ただ、昨晩のISM非製造業景況指数での雇用指数が昨年6月以来の低水準となったことから、一段と注目度が高まっている。一方、貿易収支では、約10年ぶりの大幅な赤字が予想されており、このところ米中通商協議に対する楽観的な見方もあるが、対中赤字が拡大するようなら、懸念要因となる可能性も考えられる。
3/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
2月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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+19.0万人 | +21.3万人 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、2017年2月以来の高い伸びとなった12月からは低下となった。政府機関の閉鎖があったが、安定的な伸びとされる+20万人を2ヵ月連続で上回っており、民間の雇用が堅調だったことが示された。今回は、+20万人を下回ると予想されているが、+20万人を維持できれば、民間の雇用は堅調との見方が維持されるだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-578億USD | -493億USD |
前回は、市場の予想以上の改善となり、6ヵ月ぶりに赤字額が縮小となった。注目の対中赤字は若干減少した。今回は、再び大幅な赤字が予想されており、予想通りの結果となるようなら、2008年10月以来の大幅な赤字額となる。特に、対中通商協議の進展期待があるだけに、対中赤字にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ユーロ/ドルは、高値と安値を共に切り下げており、現状では、一目均衡表の雲近辺で上値を抑えられて下げに転じている。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、クロスしていることから、今後の展開が注目される。現状での下値目標の計算値は1.1139と計算でき、日柄的にはボトム3/14-15日頃と予測できる。ここまでの値幅、日柄と同じ展開となるのか注目したい。