前営業日トピックス
東京市場では、前日の米主要株価指数が下落したことから、日経平均株価も下落して始まったものの、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後は実需のドル買い観測もあり、堅調な動きが続いた。日銀の金融政策決定会合の結果発表では、予想通りの結果だったことから反応は限定的となった。ただ、欧州主要株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
その後、米長期金利の上昇に加え、米国市場で米主要株価指数が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、世界経済の減速懸念や、米政府機関の閉鎖問題などが意識され、主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円も下落に転じた。ただ、終盤にかけて株価が再びプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円も値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米共和党のマコネル上院院内総務が、米政府機関の一部閉鎖解除に向けた法案の採決を実施するとしたことが好感され、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、一時180円以上の下落となった日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、仲値公示にかけて輸入企業によるドル買い観測も下支え要因となった。
(2)ドル/円は109.50近辺のストップロスを巻き込んで一段の上昇となり、また日経平均株価がプラス圏まで反発し下げ幅を帳消ししたことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。背景には、米政府機関の一部閉鎖解除に向けた期待感も材料視された。午後には、米長期金利の低下や、米株価先物が上げ幅を縮小したことも影響し、やや上値の重い動きとなった。
(3)米10年債利回りが2.731%から2.776%まで上昇したことや、序盤からダウ平均株価が前日比300ドル高に迫ったことを受けて投資家のリスク志向が高まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、英議会では離脱交渉期限の延長に向けた兆しが示されている。合意なしにEUを離脱する可能性が低下したとの見方を背景に、ポンドは主要通貨に対して上昇が続き、対ドルでは、昨年11/8以来、対円では昨年12/14以来の高値を付けた。
(4)ドル/円は、年初来高値を更新したものの、110円台近辺では上値の重い動きとなった。さらに、その後に発表されたリッチモンド連銀製造業指数が2016年9月以来の2ヵ月連続マイナスとなったことや、米政府機関の閉鎖問題などが意識され、米主要株価指数がマイナス圏まで下落となり、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。さらに、ペロシ米下院議長が、政府機関が再開されない限りトランプ大統領に下院で一般教書演説を行うのを許可しないと述べたことも圧迫要因となった。
(5)トランプ米大統領は、米中通商協議が合意されない場合は関税を引き上げると改めて警告したものの、協議の進展を示唆したこともあり、買い戻しの動きが見られた。
本日のトピックス
欧州市場では、ECB理事会が予定されているが、政策は現状維持がコンセンサスとなっている。ただ、声明やドラギECB総裁の会見での発言に注目したい。先の講演では、発言がハト派的な内容だったことからやや警戒されている。昨晩、米下院では賛成234、反対180で新たな暫定予算案を可決した。ただ、トランプ大統領が要求する国境壁建設の予算は盛り込まれていない。一方、米共和党のマコネル上院院内総務が、約1ヵ月続いた米政府機関の一部閉鎖の解除に向けた法案の採決を1/24に実施する考えを示したことから、採決が実施される場合には結果を受けて動きが出る可能性もあり注目したい。また、関連した要人発言などにも注意したい。
1/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月景気先行指標指数(前月比)
米景気先行指数は、米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。
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-0.1% | 0.2% |
前回は、市場予想を上回り、10月に付けた2016年1月以来の大きなマイナスから改善した。今回は、再びマイナスが予想されており、結果が注目される。昨年11月までの年間の平均が0.4%であることから、予想通りの結果となるようなら、10月以降の各指標の悪化が影響していることが確認されことになるだろう(9月までの平均は約0.5%)。 | ||||
1:00 | 米国 |
1月カンザスシティ連銀製造業活動指数
カンザス、コロラド、ネブラスカ、オクラホマ、ニューメキシコなどにおける製造業を対象とした生産、出荷などの活動を調査し、指数化したもの。
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3 | 3 |
前回は、市場予想に反して大幅低下となり、2016年11月以来の低水準となり、同地区の製造業の悪化が続いていることが示された。今回は、横ばいが予想されているが、昨日発表されたリッチモンド連銀指数が2ヵ月連続のマイナスとなったこともあり、同じ製造業関連の指標であることから結果が注目される。 |