前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、やや上値の重い展開で始まった。序盤に129円高まで上昇した日経平均株価がマイナスに転じたことに加え、実需のドル売り・円買い観測もあり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したことに加え、上海株が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す場面もあった。しかし、その後上海株が再びマイナス圏まで下落したことが影響し、上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想より改善したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、米財務長官が対中貿易関税の引き下げを提案しているとの報道を受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。しかし、財務省が報道を否定したことから、その後はやや上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場では、ドル/円が109.20まで上昇したが、利益確定売りに押されて反落しており、東京市場でもこの流れを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことに加え、仲値公示にかけて輸出企業のドル売り観測もあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)海外市場から低下が続いた米国債利回りが上昇に転じたことを受けて、値を戻したものの、ドル/円は109円台で上値の重い動きとなったことや、米株価先物が下落したことから、上値の重い動きが続いた。また、ドイツのGDP、ユーロ圏の消費者物価指数が冴えない結果となったことを受けて、ユーロはドルや円に対して上値の重い動きとなった。
(3)米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数が予想より改善したことを受けて、米国市場の序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米長期金利が上昇したこともあり、ドルは堅調な動きとなった。
(4)ドル/円は109円台で上値の重い動きが続いていたが、ムニューシン米財務長官が対中貿易関税の引き下げを提案しているとの米紙報道を受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり、ドル円・クロス円は急上昇した。しかし、財務省が報道を否定したことから、やや反落となった。一方、英国のEU離脱を巡り、いずれは合意に達するとの期待感などを背景に、ポンドはドルや円に対して堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
英国のEU離脱問題や米中貿易問題に対する期待感から、ポンドや豪ドルがドルや円に対して上昇しており、共に対円では昨年末の高値を更新(ポンド/円は12/19、豪ドル/円は12/21以来の高値)している。ただ、両問題共に報道や要人発言で見方が一変することが多いことから、過度な期待感は禁物だろう。
米国市場では、1月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、市場予想では前月からの低下が予想されている。米経済指標の悪化が目立っており、景気鈍化懸念もある中で、前回改善した消費者のマインドが再び低下するようなら、やや懸念も高まるか?
ただ、依然として高水準を維持していることから、それほど深刻とはならないだろう。また、昨日まで3営業日続伸となっている米主要株価指数の動きに加え、複数の米当局者の発言にも注目したい。
1/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
96.9 | 98.3 |
前回の確定値は、市場予想に反して上昇となり、3ヵ月ぶりに上昇に転じた。現況指数が6ヵ月ぶりの高水準となったものの、期待指数は上方修正されたが6月以来の低水準となった。今回は、前月からの低下が予想されており、前月は原油下落による燃料価格下落が好感されたが、1月は原油価格が上昇に転じたことが影響するのか注目したい。 |