前営業日トピックス
前日に円高が進んだ反動で、円売り・ドル買いが先行した。そして、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、実需のドル買い観測などからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、午後には日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、その後は再び株価が上昇したこともあり、底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表されたリッチモンド連銀製造業景況指数が2016年6月以来の大きなマイナスとなったことが影響し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、大幅下落が続いた反動で、米主要株価が軒並み大幅上昇となったことが好感され、投資家のリスク回避の動きが後退し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、5営業日ぶりに反発して1086ドル高(4.98%高)で終了し、これまで最大の上昇幅となっていたリーマン・ショック直後の2008年10月の936ドルを上回り、過去最大となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、値頃感の買い戻しが先行したものの、引き続き上値の重い動きとなった。そして、前日大幅下落となった日経平均株価が反発して始まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、スポット取引の決済が年末最終日となったことから、仲値公示にかけて実需のドル買い観測もドルの押し上げ要因となった。
(2)前日比374円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、一時207円安まで下落したことに加え、時間外で米10年国債利回りが4/2以来8ヵ月超ぶりの低水準となったことから、上値の重い動きが続いた。しかし、終盤に再び株価がプラス圏まで反発したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)前日にトランプ米大統領が、メキシコとの国境壁建設の財源が確保できるまで一部の政府機関の閉鎖は続くとの見解を示したことや、FRBの金融政策を再び批判したこともあり、休場明けの米国市場では、序盤からやや上値の重い動きとなった。そして、12月のリッチモンド連銀製造業景況指数が、2016年6月以来の大きなマイナスとなり、前月比で過去最大の下げ幅となったことが影響し、ドルは主要通貨に対して下落した。
(4)大幅下落が続いた反動で、米主要株価が軒並み大幅上昇となったことが好感され、投資家のリスク回避の動きが後退し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米10年債利回りが2.732%から2.813%まで上昇したことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇となった。さらに、更迭される可能性との見方が一部で出ていたパウエルFRB議長に関して、米大統領経済諮問委員会の委員長が「パウエルFRB議長のポストは100%安全」と発言したことも好感された。
本日のトピックス
前日の米国株の大幅上昇の影響を受けて、日経平均株価も序盤から大きく上昇している一方、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなっている。年末でやや材料に乏しい中、株価の動きに左右される展開が続く可能性もあり、引き続き株価が注目される。また、ドイツや英国など欧州が休場明けとなることから、欧州タイム入りの時間帯から動きが活発になる可能性もあり、注意したい。
米国市場では、大幅上昇後の株価が注目される。ダウ平均株価は、10月に付けた高値から19%以上下落したが、昨日は約5%戻しており、昨日に続き値を戻すのか注目される。また、トランプ米大統領が、メキシコとの国境壁建設の財源確保まで一部の政府機関の閉鎖は続くとの見解を示しており、関連する報道や要人発言には注意したい。なお、現時点でも一部政府機関の閉鎖が続いていることから、本日予定されていた「新築住宅販売件数」の発表は延期されている。
12/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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133.6 | 135.7 |
前回は5ヵ月ぶりに低下となり、10月につけた18年ぶりの高水準から低下した。現況指数は上昇したが、期待指数は低下し、楽観的な見方にやや陰りが見られた。今回は、さらに低下が予想されており、特に、米主要株価が大幅下落となっていることが消費者の楽観的な見方をされに後退させている可能性も考えられる。 |