前営業日トピックス
東京市場では、英首相の与党党首の信任が発表されたことや、イタリアが赤字目標の引き下げの修正を提案したことが好感され、日経平均株価などアジア株の上昇となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、その後はイベント(トルコ、ECBの金融政策発表)を控えて様子見ムードが強まり、小動きの展開となった。トルコは金利据え置き、ECB理事会では、債券購入プログラムを今月で打ち切ることを正式決定したことが好感されたが、反応はやや限定的だった。
米国市場では、新規失業保険申請件数が良好な結果となったことや、ダウ平均株価が200ドル以上の上昇となったことが影響し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドラギECB総裁が会見でハト派的な見方を示したことが影響し、ユーロは軟調な動きとなった。その後は、株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)英国のメイ首相が与党保守党党首の信任を受けたことや、イタリア首相が予算案の修正をEUに提案したこともあり、リスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調となった。また、日経平均株価が200円超の上昇となるなど、アジア主要株価の上昇も下支え要因となった。
(2)上昇一服後は、トルコの政策金利発表やECB理事会を控えて様子見ムードが強まり、小動きの展開が続いた。注目されたトルコ中銀の政策金利発表では、予想通り据え置きとなり、一部で懸念されていた利下げとはならなった。そのため、若干の上振れがあったものの一時的だった。一方、ECB理事会で政策金利の据え置きに加え、量的緩和策を終了させることを正式に決定したことから、ユーロは底固い動きとなった。
(3)新規失業保険申請件数が9月中旬以来の低水準に大きく改善したことや、米ダウ平均株価が前日比200ドル以上の上昇となったこと、また米10年債利回りが2.88%から2.91%まで上昇したことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドラギECB総裁が会見で、ユーロ圏経済へのリスクが下方向に向かっているとの見方を示したことを受けて、ユーロは軟調な動きとなった。
(4)米主要株価が上げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。また、米30年債入札結果を受けて、米国債利回りが低下したことが影響し、ドル/円はやや軟調な動きとなった。一方、英国のEU離脱合意案が英議会で承認されやすくするよう、EU首脳が措置を検討する構えとの報道を受け、ポンドは下げ幅を縮小した。
本日のトピックス
今週注目されたイベントが無難な結果となり、一部で懸念されたほど荒れる相場展開にはならなかった。そして、イベントが終了したこともあり、マーケットの注目は来週のFOMCに移り始めている。ただ、依然として米中通商問題、英国のEU離脱問題、イタリア財政問題、フランスのデモ拡大に対する懸念が燻っていることから、関連する報道や要人発言で動きが出る可能性もあることから、引き続き注意はしておきたい。
米国市場では、需要な経済指標の発表が予定されているが、市場予想と大きく乖離する結果とならなければ、反応は限定的と考えられる。
12/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つ。米国経済に与える影響も大きいため、注目されている。
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0.1% | 0.8% |
前回は、市場予想を上回り、5ヵ月ぶりの大きな伸びとなった。9月はハリケーンの影響で落ち込んでいたが、その反動で消費が増加した可能性が指摘されている。今回は、前回から伸び幅が低下すると予想されており、大幅増となった前月の反動との見方もある。 |