前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。そして、日経平均株価が大きく上昇して始まったことや、米大統領の発言を受けて、米中通商問題の進展期待も加わり、堅調な動きとなった。しかし、トランプ米大統領が来週のFRBの利上げを牽制する発言をしたことや、欧州の問題もあり、積極的な売買が手控えられ、小動きの展開が続いた。
米国市場では、英国与党党首の不信任決議案が否決されるとの見方や、イタリアが2019年予算案の修正案を提案するとの思惑を背景に、ポンドやユーロがドルや円に対して堅調な動きとなった。ドルは、主要通貨に対して軟調な動きとなったが、米中通商問題への警戒感が後退したことや、米長期金利の上昇もあり、ドル円は底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことに加え、トランプ米大統領が、中国との交渉はすでに電話会談で行われているとしたことから、米中通商問題の進展期待からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)トランプ米大統領がFRB対して「来週のFOMCで利上げするなら、ばかげている」と利上げを牽制する発言をしたことから、ドルは上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が450円超に拡大したこともあり、底固い動きとなった。また、英国のEU離脱問題やフランスのデモなど、欧州の懸念も根強く、小動きの展開が続いた。
(3)保守党党首であるメイ首相への不信任案決議案が出され、採決が行われる予定だが、不信任決議案が否決されるとの見通しや、イタリアが2019年予算案の修正案をEUに提案するとの思惑を背景に、ポンドやユーロがドルや円に対して堅調な動きとなった。ドルは、円に対しても軟調な動きとなった。
(4)米中通商問題への警戒感が後退したことや、米長期金利の上昇したこともあり、ドル/円は底固い動きとなった。そして、イタリアのコンテ首相が、2019年財政赤字の対GDP比率を従来の2.40%から2.04%の目標に修正した案をEUに提案したことを受けて、ユーロはドルや円に対して一段の上昇となる場面もあった。一方、英国与党の党首の信任案投票の結果が報じられ、信任200票、不信任117票でメイ首相の与党党首に留まることが決定した。結果を受けて、思惑が交錯し、ポンドは乱高下した。
本日のトピックス
朝方発表された英保守党の党首信任投票で、メイ首相が与党党首として信任される結果となった。やや劣勢との報道も以前からあったが、事前に実施したスピーチで2022年までは解散を行わないと発言したことも影響したとの見方もある。ただ、結果に対して楽観的な見方ばかりでなく、結果発表後のポンドの乱高下でも明らかだろう。今後も引き続きEU離脱問題などが主要材料となり、これまでのポンドの動きに特に大きな変化はないだろう。
本日は、トルコの政策金利発表(日本時間20時)が予定されており、マーケットでは現行の24.0%で据え置かれると予想されている。先に発表されたトルコの11月のインフレ率が21.62%(10月25.24%)であることから、実質金利は前月のマイナス金利から2.38%のプラスとなっている。エルドアン・トルコ大統領は、中銀の利上げに幾度となる反対を表明していることもあり、可能性は低いと考えられるが、小幅の利下げにも警戒しておきたい。
12/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-1.0% | 0.5% |
前回は、市場予想に反して上昇となり、今年5月以来の高い伸びとなった。石油や資材が大きく上昇したことが押し上げ要因となった。今回は、反動からマイナスが予想されているが、11月は原油価格が15ドル下落していることが影響している可能性も考えられる。 |