前営業日トピックス
東京市場では、大きなイベントが終了したことで一服感が出ており、やや小動きの展開となった。しかし、前日の英国のEU離脱問題に関する報道を受けて、ポンドは主要通貨に対して下落して始まり、上値の重い動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇し、底固い動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、英国のEU離脱合意への期待が遠のいたことや、イタリア予算に対する懸念が高まったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、振替休日で一部の市場が休場となり、市場参加者が少ない中、世界的な景気減速への懸念を背景に米国株が大幅下落したことから円を買う動きが優勢となった。米株式市場では、ハイテク株を中心に序盤から軟調な動きとなり、ダウ平均株価は600ドル以上の下落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、前週末比2.7%以上の大幅下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中間選挙や米FOMCなどが終了し、新規材料に乏しいことからドル円・クロス円は小動きの展開となった。そして、下落して始まった日経平均株価がプラス圏に反発したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、ブレグジット問題を巡り残留派の英閣僚4人が間もなく辞任すると英紙が報じたことが影響し、ポンドはドルや円に対してギャップダウンして始まった。
(2)イタリア2019年予算案修正期限を11/13に控えてユーロが上値の重い動きとなっていることや、ブレグジット問題を巡る懸念を背景に、ドルはユーロやポンドなどに対して底固い動きが続いており、対円でも底固い動きが続いた。
(3)ユーロが対ドルではポイントとなる1.30ドルを割り込み、2017/6以来の安値を付けたことから、対円でも下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、欧州主要株価が下落に転じたことも影響した。
(4)米国市場はベテランズデーの振替休日で米国債市場が休場となるなど薄商いとなる中、世界的な景気減速への懸念を背景に米国株が大幅下落したことから、投資家のリスク回避の動きとなり、安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。一方、ユーロは対ドルで2017/6/27以来の安値を付けたことが影響し、主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、米国市場の株価が大幅下落となったことが影響して日経平均株価が700円以上の下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、株価の下げ幅の割には円買いがそれほど強まっておらず、底固さも見られた。欧州では、欧州委がEUの財政規律に違反しているとしてイタリアの2019年予算案を拒否し、11/13までに新たな案を提出するよう求めており、本日が予算案の修正期限である。イタリアのトリア経済・財務相は、財政政策を巡りEUの欧州委員会と合意するため2019年の成長率見通しを下方修正することを検討しており、動向が注目される。予算案の修正がなければ、月内にも制裁措置に乗り出す可能性があることから、ユーロ相場に影響する可能性が考えられる。
米国市場では、重要な経済指標の発表がないが、FRB理事や地区連銀総裁の発言が予定されており、FOMC後の発言であることから、発言の内容に注目したい。そして、週末まで連日複数の当局者の発言が続く予定である。