前営業日トピックス
東京市場では、小動きの展開で始まったが、日経平均株価が序盤から堅調だったことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。その後、株価がマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、引けにかけて再び株価が上昇となったことで堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米主要株価が軒並み大幅上昇となったことも加わり、投資家のリスク回避の動きが後退し、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。米株式市場では、ダウ平均株価が前日比547ドル高となるなど、主要株価は軒並み2%を超える大幅高となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動き、一時前日比193円高となったことに加え、米長期金利の上昇を受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、麻生財務相が米国との貿易交渉に為替が入ることはないと述べたことを受け、円売りが強まった。
(2)上昇していた日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことを受けて、円買い戻しが見られたものの、午後に入り株価が再び上昇に転じたことや、米長期金利の上昇が続いたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことも押し上げ要因となった。一方、イタリア連立政権の2019年度予算案の承認を受けて、ユーロは上昇したが、その後に発表された欧州やドイツの景況感指数が悪化したことから下落するなど、やや乱高下となった。
(3)米鉱工業生産指数や住宅市場指数が市場予想を上回ったこと、また米求人件数が過去最高を更新したことで、米経済の堅調さが確認され、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米企業決算が好調だったことで株価が大幅上昇となったことで、投資家のリスク回避の動きが後退し、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。一方、EU離脱問題でアイルランドの国境問題に対する懸念を背景に、ポンドもドルや円に対してやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
欧州では、EU首脳会議(〜10/18)が開かれている。英国のEU離脱に関して楽観的な見方もあったが、アイルランドの国境問題が決着していないことが再び懸念されており、議論の内容が注目される。
米国では、住宅着工件数、建設許可件数の発表が予想されている。このところ住宅関連の冴えない結果が続いており、結果が注目される。前回、住宅着工件数は予想を上回る結果となったものの、着工件数の先行指標となる許可件数が大きく減少したことで、今後2-3ヵ月は住宅着工件数に影響が現れる可能性がある。また、9/25-26分のFOMC議事録が公表される予定であり、あと何回の利上げが行われるのか、ヒントを探りたい。
10/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
9月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
121.0万件 | 128.2万件 |
前回は、市場予想を上回る伸びとなった。一戸建て住宅、集合住宅ともに増加し、特に、集合住宅は29.3%増の大きな伸びとなったことが押し上げ要因となった。今回は、前月の反動もあり、減少が予想されている。また、先行指標となる許可件数が前月予想を大きく下回ったこともあり、一部では予想以上の低下も警戒されている。 | ||||
21:30 | 米国 |
9月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
|
127.5万件 | 122.9万件 |
前回は、市場予想を下回り、2017年5月以来の低水準となった。一戸建て住宅は6.1%減と、7年ぶりの大きな減少率となり、集合住宅も4.9%減と5ヵ月連続のマイナスとなった。今回は、改善が予想されており、どこまで改善するのか注目したい。 |