前営業日トピックス
東京市場では、日経平均やアジア市場の株価下落を受けて、リスク回避の動きから円買いが優勢となった。その後、株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は値を戻したものの、引けにかけて日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米国が円安誘導への警戒感を示したことも材料視され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米小売売上高が市場予想を下回ったことや、米国債利回りが低下したことを受けて、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、サウジアラビア人反政府記者が行方不明になった問題を巡り、サウジアラビアと米国の関係悪化への警戒感が広がったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで新規材料に乏しく、序盤から小動きの展開となったが、日経平均株価が下落して始まり、一時400円以上の下落となったことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となった。 また、ムニューシン米財務長官が、日本との通商協議で「為替条項」導入を求める考えを表明したことも円買いを誘っているとの見方が出ていた。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も値を戻したものの、その後再び日経平均株価が400円以上の下落となったこともあり、上値の重い動きが続いた。
(3)下げが一服したことで、111.60台でドル/円は底固い動きとなった。また、米長期金利が上昇したことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、英国のEU離脱を巡る週末の協議で合意に至らなかったことが材料視され、ポンドは上値の重い動きとなった。
(4)米小売売上高が市場予想を下回ったことや、週末のインタビューでトランプ大統領が対中関税を課す可能性があると述べたことが材料視され、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、サウジアラビア人反政府記者が行方不明になった問題を巡り、サウジと米国の緊張が高まったことに加え、米主要株価が下落したことも影響し、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、先週に続き米7-9月期決算発表が予定されており、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーなどの米銀、またJ&J、IBMなども予定されている。米経済と融資の動向を見る上で材料となり、結果を受けて米株価が反応することも予想されることから注目したい。
経済指標では、米国の求人件数の発表が予定されている。求人件数自体は、過去最高を更新していることから、大きな反応はないと考えられるが、求人が豊富であることから、より良い待遇を求めて転職も増えており、離職率は17年ぶりの高水準となっている。企業は、雇用確保のために賃金の上昇をせざるを得ない状況であり、賃金上昇に繋がっている。当該指標の結果を受けての大きな動きは考えにくいものの、求人件数や離職率の上昇が続くのか注目したい。
10/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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690.0万件 | 693.9万件 |
前回は、市場予想を上回り、過去最高を更新した。また、離職率は17年ぶりの高水準となり、職が豊富であることが示された。今回は、前回からの低下が予想されているが、引き続き高水準であることから大きな影響はないだろう。また、離職率の高まりは、企業側の賃金上昇にもつながることから、こちらの結果にも注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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67 | 67 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、8月から横ばいとなり、2017年9月以来の低水準を維持した。今回は、前回から横ばいが予想されており、住宅関連指標の冴えない結果が続いているものの、前回先行き見通しが上昇となっており、引き続き上昇となれば、やや明るさも見えるだろう。 |