前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、序盤のドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が200円以上の上昇となり、投資家のリスク志向が強まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米長期金利の上昇などもあり、ドルは堅調な動きとなったものの、トルコやECBの金融政策発表を控えて様子見ムードが強まり、クロス円はやや上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けてドルが下落する一方、ユーロはドラギECB総裁の発言を受けて堅調な動きとなった。その後、トランプ米大統領の発言を受けてドルは下げ幅を縮小し、また米主要株価が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の生産者物価指数が2017年2月以来のマイナスとなったことが影響し、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。一方、朝方発表された日本の機械受注が市場予想を大きく上回り、3ヵ月ぶりの増加となったものの、マーケットの反応は限定的だった。その後、日経平均が前日比250円以上の上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価が底固い動きが続いたことに加え、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。一方、英国やユーロ圏、そしてトルコの政策金利発表を控えて、ポンドやユーロは上値の重い動きとなり、トルコは思惑交錯からやや乱高下となった。
(3)トルコ中銀は、1週間物レポ金利を6.25ポイント引き上げ24.0%とした。これを受けて、トルコリラは対ドルで約4%上昇した。そして、米消費者物価指数が市場予想を下回る結果となり、連日の物価関連指数の低下が嫌気され、ドルは下落した。一方、ユーロは、ドラギECB総裁がユーロ圏の景気の先行きに楽観的な見通しを示したことを受けて、ドルや円などに対して堅調な動きとなった。
(4)トランプ米大統領が中国との通商交渉で合意を成立させるプレッシャーはないと発言したことで、ドル買い戻しが強まった。また、米主要株価が堅調な動きとなったことで、投資家のリスク志向が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。
本日のトピックス
注目された各国の金融政策発表が終了したことで、やや一服感がある。ただ、トルコ中銀が大幅な利上げ発表したが、発表前にエルドアン大統領が「金利を引き下げるべきだ」と発言していたこともあり、今後の大統領の発言などに注意が必要だろう。
米国では、大型ハリケーン「フローレンス、カテゴリー4」がノースカロライナ州を直撃する見通しとなっている。報道では、ハリケーンで生じる高潮や暴風、洪水による被害は甚大となる可能性があると指摘されており、200億ドル程度の被害が発生するとの見方も示された。実際に被害が発生した場合、一時的にマーケットに影響する可能性もあり、注視したい。
経済指標発表では、小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目されている。また、9/12の生産者物価指数、9/13の消費者物価指数が冴えない結果となったことで、米利上げペースが鈍化するとの見方からドルが下落する場面もあったが、本日は輸入物価指数の発表がある。普段はそれ程注目度の高い指標ではないが、物価指数の悪化が続いたことから、比較的注目が集まっている。
9/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
8月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
|
0.4% | 0.5% |
前回は、市場予想を上回り、主要13項目中9項目で伸びるなど、広範囲で増加となった。今回は、前回から伸び幅の縮小が予想されているものの、引き続き堅調な個人消費が維持されると予想されている。予想通りの結果なら、ドルの下支え要因となるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
96.6 | 96.2 |
前回は、市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の低下となり、7ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、若干の改善が予想されているが、前月2016年11月以来の低水準となった現況指数が改善するのか、注目したい。特に、このところ米経済成長関連に明るさが見られていることから、指数改善となるようなら、ドルの下支え要因となる可能性もあるだろう。 |