前営業日トピックス
東京市場では、序盤小動きの展開が続いたものの、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、比較的安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きがとなった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、トルコリラ、南アランドが急速に上昇したことを受けて、円売りが加速した。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、米長期金利の低下が続いたこともあり、序盤はドル売り円買いが先行した。しかし、トルコリラが最安値から持ち直したことを受けて、安全な資産とされる円を売る動きが優勢となった。また、米主要株価が堅調な動きとなったことも影響した。ただ、マーケットではトルコ情勢の先行きは依然として不透明との見方も根強く、終盤はやや上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場で堅調な動きとなった反動から、序盤は小動きの展開となった。ボルトン大統領補佐官が駐米トルコ大使と面会したことが明らかにされたことから、結論を見極めたいとの様子見ムードもあった。
(2)日経平均株価が堅調な動きとなったことが影響し、投資家のリスク志向の動きから、比較的安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、トルコ情勢に対する懸念が一服したことも円売りを後押しした。また、イタリアの主要閣僚が電話会議を開き、債務削減の必要性を繰り返し強調したとの報道がユーロを下支えた。
(3)米長期金利が下落に転じたことなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、新規材料に乏しい中、欧州主要株価が上げ幅を縮小したことも影響した。
(4)トルコリラが最安値から持ち直したことでトルコ情勢への警戒感が和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米主要株価が堅調な動きとなったことも影響した。一方、ユーロは、トルコに対する欧州金融機関のエクスポージャー懸念が意識され、大半の主要通貨に対して下落となり、対ドルでは2017/7/6以来の安値を付けた。
本日のトピックス
大きく下落したトルコリラや南アランドが持ち直したことから、目先の懸念が和らいだとの見方が広がり、やや一服となっている。ただ、トルコ情勢の先行き不透明感は依然として高く、投資家はリスクを積極的に取りにくい状況と思われる。そして、8/16にはアルバイラク・トルコ財務相が、米国、欧州、中東の投資家と電話会議を開き、最大1000人と見込まれる投資家に直接メッセージを発する予定である。この電話会議で何を示すのかが注目されている。トルコ財務相は、エルドアン大統領の娘婿であり、約2ヵ月前に就任したばかりであることから、大統領の意向に沿ったメッセージが発せられる可能性が高く、先のエルドアン大統領発言を考慮すると、不透明感の払拭は難しいか? 米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、特に小売売上高は6ヵ月連続のプラスが予想されているが、マイナスに落ち込む場合にはマーケットへの影響もあるだろう。また、本日は米国債の償還や利払いが予定されており、ドルの動きにも注目したい。
8/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.1% | 0.5% |
前回は、市場予想と一致し5月の大幅な伸びからは伸び幅が低下した。ただ、5ヵ月連続のプラスとなり、第2四半期の個人消費は堅調だったことが示された。今回は、前回から伸び幅の低下が予想されているが、プラスを維持できるのかが注目される。一部では、個人消費は第3四半期にやや減速するとの見方もあることから、今回の結果が注目される。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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20.0 | 22.6 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、6月からはやや低下した。新規受注や仕入価格の低下が影響した。今回は、前回から低下が予想されているが、今年の平均が19.5であることから、20台を維持できるのか注目したい。 |