前営業日トピックス
アジアや欧州、南米など一部の国が休場となり、市場参加者も少なく、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。ただ、ドルは米国の金利上昇が進むとの観測から、小動きながら堅調となった。
一方、イタリアのポピュリズム政党「五つ星運動」の党首が、連立協議が不調だったとして、再選挙実施を求めたとの報道もあり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、米ISM製造業景況指数が冴えない結果となったものの、支払い価格指数が2011年4月以来の高水準となったことがインフレ上昇の印象を与え、米金利の押し上げ要因となった。そして、株価下落でやや軟調な動きとなる場面もあったが、ドルは終盤まで主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が連休谷間であることに加え、アジア市場では、香港、韓国、台湾、中国、シンガポール、インドネシアがメーデーで休場だったことから、市場参加者が少なく、序盤から小動きの展開となった。また、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、底固い動きとなった。
(2)日経平均株価がプラス圏で推移したことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きが続いた。海外市場では、ドイツ、フランス、南アフリカ、ブラジル、メキシコがメーデーで休場となったことなどから、全般的にやや限定的な動きが続いた。また、イタリア第1党の「五つ星運動」のディマイオ党首は、新政権樹立に向けた連立協議が実を結ばなかったとして、6月の再選挙実施を求めたとの報道もあり、ユーロは主要通貨に対してやや軟調な動きとなった。
(3)米ISM製造業景況指数、建設支出が冴えない結果となったものの、反応は限定的となった。ただ、ISM製造業景況指数で、支払い価格指数が2011年4月以来の高水準に上昇するなど、インフレ加速が示されたことから、FOMCでよりタカ派的な政策姿勢が示唆されるのではないかとの思惑から、米長期金利が上昇となり、ドルは堅調な動きとなった。ただ、米主要株価が大きく下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きも見られた。
(4)その後は、米株価が下げ幅を縮小したことや、米財務省の四半期定例入札計画や米金融当局の政策判断発表を控えたキャリートレードの一部巻き戻しも背景にあり、ドルは堅調な動きとなり、対円で2/5以来、対ユーロで1/11以来の高値を付けた。
本日のトピックス
日銀短観で示された2018年度の大企業・製造業の想定為替レートである109.66円を上抜けて、110円台も意識され始めている。特に、日本では3日から後半の連休となることから、連休中の大台乗せも想定して本邦実需のオーダーが入ることも考えられることから、目先の動きには注目したい。
米国市場では、ADP雇用統計の発表が予定されており、結果に注目したい。また、FOMCの結果発表も予定されており、今回は金利などの政策の現状維持がコンセンサスだが、マーケットではよりタカ派的な政策姿勢が示唆されるとの思惑も高まっていることから、6月の利上げに向けて具体的な議論があったのか声明に注目したい。
5/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
4月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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19.8万人 | 24.1万人 |
前回は、市場予想を上回る結果となった。中期的な情勢を見る上で参考にされる4ヵ月平均は、2014年12月以来の高水準となり、良好な雇用情勢が続いていることが示された。今回は、前回から伸び幅の低下が予想されているが、判断の目安とされる+20万人を上回るかどうかに注目したい。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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1.50%-1.75% | 1.50%-1.75% |
前回は、市場の予想通り0.25%の利上げが決定され、今年の利上げに関して、計3回の利上げペースを維持した。今回は、政策の現状維持がコンセンサスとなっているが、金利先物市場では、6月の利上げ予想確率は90%以上で推移しており、6月の利上げや年内の利上げのペースに関する声明などに注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ポンド/円は、一目均衡表の雲上限ライン近辺でサポートされていたが、完全に下抜けて雲の中に入り込む動きとなった。ここから、雲を上下どちら側に抜けるのか注目したい。
オシレーターのMACDでは、両線の下向き継続中であり、乖離幅が拡大傾向となっている。両線がゼロ・ポイントを下抜けるようなら、下げ継続のシグナルとなる可能性もあり、注目したい。また、一目均衡表では、基準線・転換線がクロスしていることや、遅行スパンが価格帯の中入り込んでいることから、雲下限を下抜ける場合には、三役逆転の売りシグナルとなる可能性もあり注目したい。
上値のポイント
(1)150.62(前日高値)(2)150.79(雲上限ライン)(3)151.11(基準線)
下値のポイント
(1)149.15(前日安値)(2)148.37(61.8%押しのポイント)(3)147.59(一目均衡表の計算値)
気まぐれ投資コラム
初動は非農業部門雇用者数、その後は賃金の結果が影響?
3月の米雇用統計では、景気動向を敏感に反映する非農業部門雇用者数が、前月比+10.3万人と市場予想を大きく下回る伸びとなり、昨年9月以来の低水準となりました。一方、失業率は4.1%と、前月から横ばいとなり、2000年12月以来の低水準を維持しました。また、フルタイムで働きたいのにパートの仕事しか見つからない人なども含めた広義の失業率(U6)は8.0%となり、 前月から低下しました。