前営業日トピックス
東京市場では、注目された日米首脳会談の内容が市場の想定を超えず、無難な結果となったことから、安心感が広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上昇は一時的となり、その後は日本の政局の先行き懸念に加え、日経平均株価が上げ幅を縮小したことを受けて、上値の重い動きとなった。
米国市場では、雇用や景気関連の経済指標が発表されたものの、反応は限定的となり、前日に続き狭いレンジ内の動きとなった。ただ、ポンドは、英当局者の発言などもあり、大半の主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日米首脳の共同会見を控えて、序盤は小動きの展開となった。通商問題などで米大統領の強硬姿勢が示されると予想されていたものの、予想ほどではなかったとの見方からドル買い・円売りが優勢となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことも、ドル円・クロス円の押し上げ要因となった。一方、豪州雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことから、豪ドルは主要通貨に対して下落した。
(2)その後は、イベント終了で新規材料に乏しく、また日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、経済指標の結果にも反応は限定的となり、米当局者の発言や株価の動きに左右された。ただ、全般的に狭いレンジの動きが続いた。一方、カーニー英中銀総裁が、最近発表された英経済統計が低調な数字であることを認め、来月の利上げが既定路線ではないと示唆した。また、本邦企業による英国企業の買収に英国企業側が拒否したとの報道も蒸し返され、ポンドは主要通貨に対して下落した。ポンド/円は、1.8円以上の下落となった。
本日のトピックス
米国の主要な経済指標の発表がないものの、G20財務相・中央銀行総裁会議、IMF・世界銀行の春季総会などが本日から予定されており、内容や声明などが注目される。その結果次第では、週明けからの動きに影響する可能性も想定しておきたい。また、FOMCを再来週に控えて、来週週明けからブラックアウト期間(政策決定会合の数日前から金融政策に関する発言などが禁止される期間)となり、実質最後の米金融当局者の発言が予定されていることから、発言内容にも注目したい。前日に続き、ハト派で知られている当局者であるが、タカ派よりの発言か、ハト派よりの発言か注目される。